人気ランキング
コラム一覧
トッテナムを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は、いまこそホグワーツ魔法学校との提携を希望しているのではないだろうか。アルバス・ダンブルドア、ミネルバ・マクゴガナルといった優れた講師が魔法の杖を振り、ありとあらゆる問題を片づけてくれるからだ。病気、ケガを癒すのなら、薬草学に長けたポモーナ・スプラウトとマダム・ポンフリーも欠かせない。クスッと笑ってくださったアナタ、ありがとう。『ハリー・ポッター』はおとなも子供も楽しめる娯楽作だ。
もちろんフットボールもエンターテイメントであり、サポーターを喜ばせる義務がある。ほんの一年近く前まで、モウリーニョは「結果が伴えばサポーターはついてくる」と考えていたが、マンチェスター・ユナイテッドを追われ、トッテナムの監督に就任するまでおよそ11か月もかかったため、これまでのキャリアを自問自答したという。
その結果、内輪に厳しすぎた姿勢を反省し、トッテナムでは努めて明るく振る舞っている。しかし、笑ってばかりもいられなくなってきた。1月2日のサウサンプトン戦でハリー・ケインが、ムサ・シソコが負傷。ともに4月下旬までの戦線離脱を余儀なくされた。
想定外のアクシデントである。ケインのように年間30ゴールを約束できるストライカーが、夏冬問わず市場に出まわるケースは稀だ。シソコは闘いを具現できるMFだ。頼りになることこの上ない。
さらに、クリスティアン・エリクセンはインテル・ミラノへの移籍が濃厚になってきた。モウリーニョは補強プランの見直しを迫られる。中盤はハリー・ウィンクス、エリック・ダイアー、デレ・アリといった現有勢力に加え、ジェジソン・フェルナンデス(ベンフィカ・リスボン)と契約間近、ともいわれている。人員だけは確保できそうだ。
問題は前線である。イギリスの高級紙『ガーディアン』は次のように伝えていた。「ACミランのクシシュトフ・ピョンテクと合意。移籍金は2800万ポンド(約40億円)」。
なぜピョンテクなのだろうか。後半戦だけで30ゴールを決めた昨シーズンの反動か、今シーズンは18試合・4ゴール(3PKを含む)。ズラタイン・イブラヒモヴィッチが7年半ぶりに復帰したため、ミランを追い出される格好だ。また、敵を引き付けるパートナーがいてこそ輝くタイプであり、9番ではない。
前述したようにケインの代役を発掘する作業は困難だ。市場に出まわる推奨株も冬は限定される。しかしピョンテクに2800万ポンドも出せるのなら、プレミアリーグをよく知る者、例えばオリビエ・ジルーに接触した方が得策だ。所属するチェルシーでは序列を落としているものの、強く、柔軟なポストワークはまだ錆びついていない。家族もロンドンの生活に馴染んでいるため、トッテナムから声がかかればジルーは快諾する公算が大きい。そして6月30日までの短期契約なら、必要経費も最小限に抑えられる。トッテナムもジルーもWinWinといえなくはないだろうか。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【先行】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-2 FC東京U-18 vs. 鹿島アントラーズユース
11月30日 午前10:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 準々決勝-1 オーストリア vs. 日本
11月21日 午後9:15〜
-
日本トリムPresents 第17回全国女子選抜フットサル大会 ~トリムカップ2025~ 決勝
11月30日 午後2:00〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 ラウンド16 北朝鮮 vs. 日本
11月18日 深夜12:00〜
-
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-1 流通経済大学付属柏高校 vs. 柏レイソルU-18
11月29日 午後1:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 決勝 ポルトガル vs. オーストリア
11月27日 深夜12:45〜
-
サッカーニュース Foot! 超高校サッカー通信 Presents 高円宮杯U-18プレミアリーグ 土屋雅史の深掘りレポート2025 #19
11月27日 午後9:30〜
-
【限定】ロングハイライト・高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 WEST 第20節-3 神村学園高等部 vs. サガン鳥栖U-18
12月2日 午後8:00〜
J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!
