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痛っ!!
スポーツにケガは付きものだが、主力が長期の戦線離脱を余儀なくされると、クラブのあちらこちらまで痛くなる。プレミアリーグ8節のブライトン戦で、トッテナムGKウーゴ・ロリスは左ひじを脱臼し、靭帯も損傷していた。年内の復帰は絶望的だ。ただでさえ今シーズンは苦戦しているというのに……。
エリック・バイリー、ポール・ポグバ、アーロン・ワン=ビサカ、ルーク・ショー、ジェシー・リンガード、フィル・ジョーンズ、アントニー・マルシャル、ヴィクトル・リンデレフ、メイソン・グリーンウッド、ディオゴ・ダロ、ティモシー・フォス=メンサと、マンチェスター・ユナイテッドは野戦病院と化している。7節のウェストハム戦で0-2の苦杯を舐めた後も、オーレ・グンナー・スールシャール監督は「負傷者の続出が不調の一因」と言い訳していた。
しかし、身内に甘いOBを除く各所から、「負傷者を想定したゲームプランが練られていない」と批判が飛ぶと、成す術なく0-1で敗れたニューカッスル戦終了後、発言の内容を改めている。「けが人の多さは言い訳にできない。いまなにをすべきか、最良のプランを構築しなければならない」
やっと気づいたか。スールシャールがどうのこうのではなく、あらゆる監督が現状に応じて闘わなくてはならない。選手層が薄くても、主力の大半がけがをしても、だ。昨シーズン、ルイス・クック、チャーリー・ダニエルズ、アンドリュー・サーマン、サイモン・フランシスなど、レギュラークラスの多くをケガで失っても、ボーンマスのエディ・ハウ監督はいっさい言い訳しなかった。
「戦列を離れている選手たちが、一刻も早く戻ってきてくれることを祈るしかない。けが人が多いから負けましたなんて、サポーターの皆さんにも失礼だからね」
主力の欠場はモチベーションの低下に直結する。ここに指揮官が弱音を吐いていたら、チームは途方に暮れるだけだ。責任転嫁する監督には、だれもついていかない。
本稿執筆時点で11人もの負傷者を抱えるノリッジのダニエル・ファルケ監督も、腹をくくっている。
「うちは選手層が薄いのに、次から次へとけが人は出ている。でも、仕方ないな。いまいるメンバーで、自分たちができることをまっとうするだけだ」
ファルケもハウも覚悟はできている。肝の据わった指揮官は、選手にもサポーターにも支持される。ポゼッションできず、カウンターの凄みもなく、ビハインドに立った瞬間に次の失点を恐れて横パスに終始するようなクラブの監督は、ブーイングの対象だ。明確なゲームプランを持っていないのなら、せめて選手を鼓舞する強い気持ちだけでも……。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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