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さぁ、チャンピオンズリーグが始まった。
今シーズンのテーマはリヴァプールの連覇なるか。開幕節でナポリに敗れたとはいえ、完成度は参加32チームで最高だ。ジェイムズ・ミルナー、ジョーダン・ヘンダーソン、フィルジル・ファンダイクと、ロッカールームをまとめられる選手が3人もいるため、多少のことではグラつかないだろう。
マンチェスター・シティはセンターバックが壊滅状態だ。バルセロナは相変わらずリオネル・メッシ依存が高すぎる。レアル・マドリーは明確なゲームプランを持たず、パリ・サンジェルマンは毎シーズンのようにバラバラだ。リヴァプールの優位は動かしがたい。
さて、ヨーロッパリーグの開幕も迫ってきた。セビージャ、FCポルト、スポルティング、ラツィオ、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、ローマなど、本来であればチャンピオンズリーグで闘うべき強豪が参戦しているため、興味深いコンペティションではある。
しかし、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグともに、プレミアリーグ勢は国内の支援が得られない。他国は国内リーグのスケジュールを調整し、「ヨーロッパでも勝ってくれ」とサポートするが、プレミアリーグだけは頑なだ。それはそれ、これはこれ──。何が起きてもスケジュールを調整せず、監督たちの不評を買っている。
「ヨーロッパのコンペティションに出場しているチームに配慮したスケジュールを」
リヴァプールのユルゲン・クロップが、シティのジョゼップ・グアルディオラが、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノが訴えても、つねに〈スルー〉だ。事前に決めたスケジュールに従えばいい、というスタンスに徹している。
シティはウクライナ(シャフタール)やクロアチア(ディナモ・ザグレブ)に飛ばなくてはならい。ユナイテッドはセルビア(パルチザン)とカザフスタン(アスタナ)だ。とくにシティはD・ザグレブ戦(12月11日)の4日前がマンチェスター・ダービー(ホーム)、3日後がアウェーのアーセナル戦だ。地力で上まわっているとはいえ、アイメリク・ラポルト不在のセンターバックをやり繰りするには、なかなか難しいスケジュールだ。なお、4節のブライトン戦で膝を痛めたラポルトの復帰は、早くて来年2月初旬と伝えられている。
プレミアリーグの上層部は「われわれこそが世界一のリーグ」と胸を張る。その自信はつねに持っているべきだが、監督たちの悲鳴(前述)はもっともだ。昨シーズンはチャンピオンズリーグ決勝がリヴァプール対トッテナム、ヨーロッパリーグ決勝もチェルシー対アーセナルと、厳しいスケジュールを乗り切ったプレミアリーグ勢がヨーロッパを独占したといっても、現行のままでノープロブレムというわけではない。
他国のやり方を検討し、再考する余地はある。スケジュールは、できるかぎり選手ファーストで──。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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