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願いは届かなかった──。
バルセロナ復帰を希望し、ありとあらゆる手段を用いた。メディアに叩かれても、住みやすかった古巣に戻ろうとしていた。しかしバルセロナとネイマール、彼が所属するパリ・サンジェルマンは合意点を見いだせず、交渉が遅々として進まない。そして9月2日、移籍市場はその幕を閉じた。
針のむしろだ。パリSGとはうまくいっていなかった。クラブの上層部は公の席上でネイマールを批判している。トーマス・トゥヘル監督も高くは評価していない。ネイマールの才能は認めるが、エージェントを務めるネイマール・シニアと取り巻きに気分を害しているのだ。
ネイマール・シニアは人を見下し、それでいてリスペクトを強要するという。自分勝手な上から目線。この夏の交渉も、エージェントとしてがうまく立ちまわっていれば、パリSGとネゴシエートできれば、息子の願いは通じたともいわれている。ネイマール・シニアの強硬すぎる態度に、パリSGのナセル・アル・ケライフィ会長は「いつでも扉は開いている。さようなら」と、突き放していた。
ネイマールの取り巻きは定職についていない。働こうとせず、ネイマールが稼いだカネで豪遊する。そのくせ関係者を気どり、ありもしない話をメディアにバラまく。パリSGの、ネイマールの印象が悪くなる。このような輩はすぐ排除すべきであり、顧客の周囲を整備するのはエージェントの務めだ。ヒモ同然の取り巻きを黙認する父親? わけがわからない。
ネイマールの居場所がなくなりつつある。つねに自分を正当化してきた過去の経緯をふまえても、パリSGに頭は下げるとは思えない。そして移籍市場が再開する来年1月に向け、バルセロナ移籍を画策するはずだ。しかし、ネイマールの移籍金は2億ユーロ(約232億円)に設定されている。この夏、カタルーニャの名門は2億6000万ユーロ(約300億円)もの補強費を投じた。これ以上の投資は経済的なダメージが深く、ファイナンシャル・フェアプレーに抵触する恐れも出てくる。こうしてネイマール狂騒曲は、だれも望まない残留という形でエンディングを迎えた。
移籍市場が再開する来年1月まで、いろいろな動きがあるだろう。パリSGとネイマール側の感情的な対立は収束する気配すらないため、両陣営があの手この手のネガティブ・キャンペーンを繰り広げる公算が大きくなってきた。結局だれも得をしない。
そして今シーズン、パリSGにマウロ・イカルディがやって来た。エージェントであり、妻でもあるワンダナラとともに、度重なる舌禍でインテル・ミラノ上層部を怒らせてきた経緯がある。今回の移籍も事実上の追放だ。強烈すぎるエゴで多くの問題を起こしてきたネイマール側と同類、といっていいだろう。両雄は並び立つのか。ピッチ上で殴り合うのか。ネイマールのまわりには、不思議とトラブルが付きまとう。
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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