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サッカー フットサル コラム 2019年8月21日

環境を変えさえすれば、サンチェスは華々しく復活する

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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アレクシス・サンチェス

「あのとき、俺は間違っていたのかもしれないな」

アレクシス・サンチェスが悩んでいる。昨年の冬、ヘンリク・ムヒタリアンとの交換で、アーセナルからマンチェスター・ユナイテッドにやって来た。マンチェスター・シティと合意間近と伝えられながら、ローカルライバルを選択した。しかし、ユナイテッドは迷走中。攻守ともにバラバラで、なによりジョゼ・モウリーニョ監督(当時)の守備重視策が、アーセナルで自由を謳歌してきたサンチェスには適していなかった。

また、度重なるケガで試合出場すらままならず、長年にわたって交際してきたガールフレンドとの破局で心が折れた、との噂まで飛び交う。サンチェスはピッチに集中できず、モウリーニョの後を受けたオーレ・グンナー・スールシャール監督の構想からも外れていった。

環境を変えた方がいい。今シーズンのユナイテッドは急速な若返りを図り、前線もアントニー・マルシャル、マーカス・ラシュフォード、ダニエル・ジェームズが20代前半、メイソン・グリーンウッドに至ってはまだ17歳だ。30歳のサンチェスとはひとまわり以上も違う。DFでは34歳のアシュリー・ヤングが、中盤でも31歳のネマニャ・マティッチが序列を下げたように、サンチェスがコンディションを整えてもポジションは約束されていない。

「アレクシスはわれわれとともにあるが、他国の移籍市場は9月2日まで開いている。いくつかのクラブが興味を示していることは間違いない」

スールシャール監督の言葉にも“含み”がある。去就が微妙なポール・ポグバに関して「絶対に残る」と表現しながら、サンチェスの退団はやむをえないとも考えているようだ。事実、ローマからローン移籍の問合せがあったという。インテル・ミラノが買取オプション付きで獲得する、との報道もある。新天地はセリエAが有力ということか。

何事につけて“たら・れば”は禁物だが、あのときアーセナルに残っていれば、あるいはシティを選んでいれば、サンチェスは依然としてプレミアリーグのトップアタッカーだったとも考えられる。ユナイテッドでは思うに任せず、いつしかドレッシングルームで孤立。スペイン語を話し、コミュニケーション能力の高いアンデル・エレーラ(現パリ・サンジェルマン)、ファン・マタとも距離を置いていた。殻に閉じこもっていては活躍できない。

アーセナルに所属した5シーズンで152試合・73得点。ユナイテッド移籍後の一年半は32試合・3得点。プレミアリーグのデータも、サンチェスの苦悩を裏づけている。

しかし、彼の才能はだれもが認めるところだ。環境を変えさえすれば、華々しく復活する可能性は十分にある。イングランドより温暖なイタリアなら、心が解放されるかもしれない。次の決断に、サンチェスの選手生命がかかっている。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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