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サッカー フットサル コラム 2019年8月14日

ユベントスの本末転倒とアーセナルの人員整理

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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デ・リフト

ユベントスのマウリツィオ・サッリ監督はこう言った。

「市場が閉まる9月2日までに、6人ほど出ていくかもしれない」

アーセナルのウナイ・エメリ監督も意味深だ。

「プレミアリーグの市場は8月8日に閉まったけれど、ほかの国はまだ開いている」

市場に少なからぬ影響を及ぼす両監督の発言だ。聞き逃すわけにはいかない。まだなにかが起きる、ということか。

ユベントスは残留を熱望するパウロ・ディバラの放出を画策し、移籍先としてパリ・サンジェルマンが浮上してきた。また、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)を獲得するため、スポンサーが金策に走っている。こうした動きもふまえ、サッリは6人の放出を覚悟しているのかもしれない。

事実、ダニエレ・ルガーニのローマ移籍が濃厚になった。マリオ・マンジュキッチにも色よいオファーが届けば手放す公算が大きく、ブレーズ・マテュイディにはフランスとスペインのクラブが興味津々と伝えられている。さらにゴンサロ・イグアインとマッティア・ペリンも換金対象だ。マタイス・デリフトの獲得に約85億円を要し、ポグバ資金として200~220億円が必要とされるため、昨シーズンまでの主力が犠牲となる。彼らを手放して収支のバランスを整える……要するにフィナンシャル・フェアプレー対策だ。チーム創りのプランとしては本末転倒である。

一方、アーセナルのエメリは放出を示唆したとも受け取れる。新ディレクターに就任したエドゥの尽力により、ダビド・ルイスやニコラ・ペペ、ダニ・セバジョス、キーラン・ティアニーなど、市場の終盤で即戦力と考えられるタレントを一気に獲得した。ただ、人員過多の前線、二列目はスリム化を図らなければならない。

やはりメスト・エジルだろう。本人はつねづね「アーセナルLOVE」を公言しているものの、エメリの優先順位は高くない。昨シーズンもビッグゲームではベンチから外したり、「インテンシティ最優先の人選」と発言したり、エジルの能力に疑問を投げかけていた。およそ5500万円にも達する週給は交渉のネックになるが、監督が要らないというのなら、それがクラブの答でもある。

そしてショコドラン・ムスタフィも整理の対象だ。ロラン・コシェルニーはレンヌに去ったが、代わってチェルシーからD・ルイスがやって来た。ソクラティス・パパスタスプーロスが健在で、昨シーズンの大半をケガで棒に振ったロブ・ホールディングも戻ってくる。エメリはコンスタンティノス・マブロパノスのフィード能力を買っている。みずからのエラーを責任転嫁するムスタフィは、センターバックとして五番手。試合に出場するチャンスは限られた。

エジル同様、ムスタフィも残留を希望しているが、構想外のレッテルは気分を害する。他クラブに請われているのなら、アーセナルと敵対しない他国なら、オファーには耳を傾けるべきだ。興味を示されない選手ほど、惨めなものはない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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