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サッカー フットサル コラム 2019年7月24日

きょうの絵空事、あしたの真実…なんの前触れもなく反故にされる約束

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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トビー・アルデルヴァイレルト

リヨンから即戦力のMFタンギ・エンドンベレを獲得した。キーラン・トリッピアーがアトレティコ・マドリーに移籍したということは、右サイドバックの第一ターゲットはマルセイユの酒井宏樹なのか。あるいはノリッジのマックス・アーロンズか。

なにかにつけてクレームの多いダニー・ローズが、プレシーズンツアーのメンバーから除外された。左サイドバックの人選にも興味が湧いてくる。噂どおり、フラムのライアン・セセニョンを獲りにいくのか。そしてクリスティアン・エリクセンの新天地は、やはりレアル・マドリーなのだろうか。

トッテナムが市場を賑わせている。ジオバニ・ロチェルソ(ベティス)と交渉が進まなかったり、ダニ・セバージョス(レアル・マドリー)はアーセナルに奪われる確率が高くなったり、マウリシオ・ポチェッティーノ監督のプランは必ずしも順調ではないけれど、一年前とは大違いだ。少なくともエキサイトできるし、落胆も味わえる。この感覚をサポーターは待っていた。

さて、トビー・アルデルヴァイレルトはどうか。現地時間の25日に2500万ポンド(約35億円)のバイアウト条項が失効するため、多くのメディアが依然として売却候補に挙げている。即戦力のセンターバックにしてはお手頃価格なのだから当然だ。また、来年6月末日に契約満了で退団した場合、トッテナムは一銭の得にもならない。商売上手のダニエル・レビー会長が、「売るならいま」と判断する可能性は十分にある。

しかし、どこか手を上げるだろうか。昨シーズンからたびたびリンクされてきたマンチェスター・ユナイテッドは、強化の軸を英国系の若手に切り替えた。ベルギー代表の三十路は対象外である。マンチェスター・シティとリヴァプールの周囲を探っても、アルデルヴァイレルトの名前は見当たらない。ローマが急接近との噂もいつの間にか消えた。

移籍市場はきょうの絵空事があしたの真実になり、数時間前に交わした約束がなんの前触れもなく反故にされる。ユナイテッドが心変わりしたとしても不思議ではない。したがってアルデルヴァイレルト本人が、「トッテナム以外でプレーするつもりはない」と語っても水面下で交渉が進み、意外なクラブが新天地として浮上する可能性もゼロではないはずだ。

現状、トッテナムのセンターバックはアルデルヴァイレルトとヤン・フェルトンゲンが基本である。ただ、圧倒的な運動能力を誇るダビンソン・サンチェス、ポチェッティーノ監督が期待するファン・フォイスもいるとはいえ、安定感ではレギュラー2選手が秀でている。

両サイドバックの刷新が避けられないいま、センターバックにまで手をつけるのはリスクが大きい。アルデルヴァイレルトは、是が非でも留めておくべき人材だが……。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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