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サッカー フットサル コラム 2019年7月17日

構想外でもマドリーに執着するベイル。やむをえない選択か

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ガレス・ベイル

夏だ、ダイエットだ! ぜい肉を絞りとろうーっ!! というわけで、スリム化を図らなければならない。なにしろダブついている。いくらなんでも重すぎる。そう、レアル・マドリーだ。

ケイロール・ナバス、ハメス・ロドリゲス、カレス・ベイル、イスコ、フェデリコ・バルベルデ、ダニ・セバージョス、ルーカス・バスケス、マルコス・ジョレンテ、マルコス・アセンシオ、マリアーノ・ディアス……。いわゆる余剰戦力だ。しかもジネディーヌ・ジダン監督が、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)、もしくはクリスティアン・エリクセン(トッテナム)を加えようとしているのだから、既存戦力の7~8名を整理しなくてはならない。この夏、すでに3億ユーロ(約370億円)を投下した。強化の収支バランスを整える意味でも、選手の放出は避けられない状態だ。

D・セバージョスはトッテナムとの交渉が進行しているようだ。イスコにはマンチェスター・シティが興味を示し、ハメスもアトレティコ・マドリーと急接近といわれている。しかし、ベイルが厄介だ。

ジダン監督から「構想外」を宣告された。ベイルのエージェントを務めるジョナサン・バーネットは、「近ごろの情報は全部デマ」と否定するが、直近2シーズンのパフォーマンスを踏まえれば、ケガが多すぎるウェールズ人FWは戦力としてほとんど計算できない。

それでもベイルは残留にこだわっている。フロレンティーノ・ペレス会長と直談判し、「売らないでほしい」と訴えたという。出場機会はなくても、マドリーに留まれば高給が約束されている。ステイタス最優先の考え方なのだろう。インテル・ミラノのマウロ・イカルディも構想外を宣告されながら、「契約をまっとうし、カネももらいつづける」と開き直った。

人、それぞれに生き方がある。他人がとやかくいう筋合いではない。ただ、ちょっと寂しい。ベイルはまだ29歳。若くはないが、老け込む歳でもない。ひげは伸びたが、フットボーラーとして成長はしてない。マドリーとの契約があと二年ほど残っているとはいえ、ベンチさえ温められずに無駄な歳月を過ごして満足なのだろうか。

サマーキャンプでも、ベイルは歓迎されていなかった。マドリディスタから「役立たず」「早く出ていけ」「無駄メシ食らい」などなど、容赦ない罵声が浴びせられたという。針のむしろだ。

古巣トッテナムも、かつてのエースの帰還を望んでいない。マウリシオ・ポチェッティーノ監督が要求するハードワークに、傷だらけのベイルが付いてこられるとは思えないからだ。メディアが再三にわたってリンクするユナイテッドも、補強プランの軸を若手に切り替えつつある。

こうした状況も、ベイルがマドリーに執着する理由なのかもしれない。針のむしろだとしても、戦力外だとしても、マドリーに在籍してさえいればぜいたくな生活が保障される。一説によると、ご家族がスペインに馴染んでいるという。やむをえない選択かもしれないが……。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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