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サッカー フットサル コラム 2019年6月14日

キャロルはせっかくの才能をアルコールで無駄にした

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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キャロル

アーロン・ラムジーはアーセナルからユベントスに去っていった。ヴァンサン・コンパニ―はマンチェスター・シティを退団し、アンデルレヒトのプレーヤー・マネジャーに就任する。また、エヴァートンはフィル・ジャギエルカとアシュリー・ウィリアムズの両ベテランが構想外となり、ダニエル・スタリッジとアルベルト・モレノはリヴァプールのユニフォームを脱いだ。さらに岡崎慎司とダニー・シンプソンがレスターに別れを告げ、マンチェスター・ユナイテッドのリストからアンデル・エレーラとアントニオ・バレンシアが消えた。毎年恒例ではあるものの、夏の動きには一抹の寂しさを隠せない。

アンディ・キャロルもそのひとりである。ウェストハムは契約を更新する意思がないことを伝え、選手本人も納得したという。2018-19シーズンもケガとの戦いに明け暮れ、12試合(先発はわずかに3試合)ノーゴール。サポーターと首脳陣の期待を完全すぎるほど裏切った。6月30日で切れる現行の契約を、延長してもらえるはずはない。

193cmの長身を利したヘディングは打点が高く、えげつないほどパワフル。ツボにはまった際の左足シュートは、うなりをあげながらゴールに突き刺さった。ビルドアップに貢献するタイプではないが、典型的な9番として期待されていた。ファビオ・カペッロ(元イングランド代表監督)も証言している。

「キャロルの才能に疑いの余地はない。ワールドクラスになりうる逸材だ。しかし……」

そう、ここからがキャロルの問題だ。

「リハビリの最中もアルコールを摂っている。何度も注意したが、聞く耳を持たない。より厳しく自己管理しないと、せっかくの才能が無駄になる」

キャロルはアルコールとの付き合い方がうまくない。酒席で口論になったり、二日酔いで練習場に現われたり、プロとしての自覚を著しく欠いていた。酒を呑むなとはいわないが、何事も度を過ぎると周囲に迷惑をかける。人間、節度が肝心だ。

本稿執筆時点で、キャロルのもとに色よいオファーは届いていないようだ。直近3シーズンは18、16、12と試合出場数が減り、甘すぎる自己管理も災いしてケガの治りも遅くなってきた。これでは戦力として計算が立たない。したがって、移籍市場では人気薄だ。チャンピオンシップから昇格するノーリッジ、シェフィールド・ユナイテッド、アストン・ヴィラでさえも、キャロル獲得には二の足を踏むかもしれない。

まだ30歳。老け込む歳ではないものの、新進気鋭の若手ではない。アルコールとの付き合い方を見つめ直し、自分自身をより厳しく管理できるだろうか。プレミアリーグの新シーズンは8月9~11日に開幕する。大舞台に立ちたいのなら、キャロルには一大決心が必要だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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