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マンチェスター・シティとトッテナムのチャンピオンズリーグ準々決勝第二戦は、《史上最もクレイジー》な一戦だった。
後半の追加タイム3分にラヒーム・スターリングのゴールが決まったが、VARの結果セルヒオ・アグエロのオフサイドが発覚して取り消し。トッテナムがアウェーゴールの差でベスト4に進出している。
勝者は勢いづいているだろうか。
敗者は立ち直っているだろうか。
あの激闘から中二日、両チームはまたしてもエティハドで相まみえる。しかもランチタイム・キックオフ(現地時間午後0時30分)だ。コンディショニングが難しい時間帯であり、チャンピオンズリーグの疲労を引きずる選手も少なくはないだろう。したがって、入り方には十分すぎるほど注意しなくてはならない。フワフワしていると、いきなり窮地に立つ。
「シティを相手に守り切れるクラブなんかあるわけがない。必要以上に引かず、攻守の切り替えを怠らないことだ。一瞬の緩みが大量失点につながるからね」
トッテナムのヤン・フェルトンゲンが証言したように、シティ戦ではアブノーマルな集中力が必要だ。ましてチャンピオンズリーグの借りを返そうと、気合が乗っている。立ち上がりから襲いかかかってきたとしても不思議ではない。
さて、近ごろのシティは彼ららしからぬミスが増えている。FAカップ準決勝のブライトン戦は、数多くの選手がフリーでありながらパスをつなげなかった。前述のトッテナム戦もミスがらみで失点し、前節のクリスタルパレス戦も壁が割れ、ジョゼップ・グアルディオラ監督が激怒している。
やはりシティも集中力を研ぎ澄まさなければならい。ほんの小さなミスが命取りになることは、チャンピオンズリーグでも証明された。左足首を痛めたハリー・ケインは今シーズン中の復帰が難しくなったものの、トッテナムはクリスティアン・エリクセン、デレ・アリ、そしてソン・フンミンを擁している。彼らの攻撃力と反発力の凄まじさは、痛いほど身に染みて分かっているはずだ。6-0の圧勝を収めたチェルシー戦のような非情、かつ獰猛な闘い方がベストだ。
四冠の夢は潰えたが、三冠の可能性はまだ残されている。そしてシティという組織のプライオリティが、プレミアリーであることは想像に難くない。一方のスパーズはチャンピオンズリーグ出場権争いでアドバンテージを得るため、少なくとも1ポイント……いや、消極策は首を絞めかねない。積極的なプランで挑むべきだ。
35節のシティ対トッテナム戦は、プレミアリーグの行方を大きく左右するビッグファイトだ。激闘ふたたび! 魂が揺さぶられる。
※シティ対トッテナム戦は、4月20日(土) 午後8:15から『J SPORTS 4』でライブ中継いたします。
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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