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名古屋が史上2回目の無敗1位を記録
Fリーグ(ディビジョン1)は、参加12チームによる3回戦制のリーグ戦33節が終了。上位3チームによって優勝が争われるプレーオフを残すのみとなった。
今シーズンは何と言っても、首位でリーグを終えた名古屋オーシャンズの出来が素晴らしかった。その成績は28勝5分0敗。2012-13シーズンに続く無敗での1位となり、2位のシュライカー大阪には勝ち点で23もの差をつけた。
いつも優勝する「絶対王者」であることに変わりはないが、今シーズンは格別の強さだったことを覚えておいたほうがいいだろう。この後のプレーオフに勝たなければ意味がないことを前提にした上で、ペドロ・コスタ監督も「今まででいちばん多い勝ち点(89)を取り、歴史に残せる戦いだった」とコメントした。
キャプテンの星龍太に、今シーズンの強さの分析をいくつか挙げてもらった。まずは、昨シーズンの優勝で「自信がついた」こと。昨シーズンは、一昨シーズンにシュライカー大阪に初めて王座を奪われたことを受けての戦いで、これを制して自信を取り戻したことが大きかったという。
そして、「メンバーがあまり変わっていないので、コンビネーションがよくなり、ディフェンスの強度なども(チームに)浸透した状態からのスタートだった」こと。プレーオフの前哨戦として注目された最終節の大阪戦は4-1の完勝。コンビネーションによるパスワークで大阪をタジタジにしたり、激しいディフェンスで攻撃をつぶすばかりか、すぐさま自分たちのシュートシーンに持ち込むような、相手を肉体的にも精神的にも追い込むシーンが何度も見られた。
さらには「(まったく)同じメンバーだと相手に分析されてしまうが、今シーズンはペピータや(星)翔太が入って、新しい攻撃の形が生まれたのもよかった」ともいう。昨シーズンのフットサルを熟成させつつ、プラスアルファを加えたことで、無敵のオーラを身にまとったのだった。
大阪、立川・府中がプレーオフへ
浜松は入れ替え戦へ
この「分析される・されない」は、振り返ってみると今シーズンのテーマだったと思う。例えばバサジィ大分は、昨シーズンからは大きく顔ぶれが変わったメンバー構成だったが、新外国人トリオの活躍などもあり、第1クールを2位でターンしたあたりは、「新しさ」が効いた現象だろう。一方で昨シーズン3位と大躍進した湘南ベルマーレは、メンバーの顔触れが変わらなかった今シーズン、相手から警戒を受ける試合内容に終始苦しんだ様子だった。
2位に入ってプレーオフを戦うシュライカー大阪は、ストライカーのクレパウジ・ヴィニシウスが抜けての今シーズンだったが、大きな補強はせず。アルトゥール-チアゴのラインのコンビネーションは相変わらずの脅威だったが、それでも名古屋にこれだけ離されてしまったのは、相手からの対策を跳ね返せるものがなかったからだろう。
3位でフィニッシュしてプレーオフ行きを決めた立川・府中アスレティックFCを見てみると、第1クールは4敗して5位にとどまっている。しかし、そこからの巻き返しは、第9節からチームに新加入し、第2クールからゴールをじゃんじゃん取り始めたジョーの活躍が効いている。大黒柱の渡邉知晃だけでない得点ルートができたのは大きかった。
2月16日から始まるプレーオフは、まず3位の立川・府中と2位の大阪が対戦。「渡邉&ジョー」「アルトゥール-チアゴライン」と、お互いの強みがハッキリしているので、ここを生かせるか、抑えられるかの戦いになるだろう。2試合戦って勝利したほうが、首位名古屋と2戦して優勝を争う。
また、リーグ初めてとなるディビジョン2との入れ替え戦(Fリーグ参入プレーオフ)は、最下位となったアグレミーナ浜松が、ディビジョン2優勝のボアルース長野と戦うことになった(2月23日、24日)。浜松の豊島明監督は、今シーズン「得点が取れなかった」ことを悔やんだ(リーグ最少51得点)。1点差で敗れたゲームが6試合あり、勝ち点を思うように積み重ねられなかった。長野は63得点(2位)、27失点(1位)という攻守のバランスの良さで2部を制したが、どのような戦いとなるか。こちらにも注目だ。
菊地 芳樹
1971年生まれ、神奈川県出身。ライター&編集者。サッカーの技術情報誌「ストライカーDX」元編集長。フットサルは競技が誕生した1990年代半ばより、日本のトップレベルを追いかけ、全国大会、Fリーグ、アジア選手権、ワールドカップなどを取材。自らも長くプレーを楽しんでいる。
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