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サッカー フットサル コラム 2019年2月8日

指揮官と選手の心が通じ合わないチェルシーでは…

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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25節のハダースフィールド戦は、新戦力ゴンサロ・イグアインの2ゴールを含む5-0の圧勝。0-4という屈辱を味わった24節のボーンマス戦から、チェルシーは立ち直ったかのようにも映る。だが、近ごろはネガティブな話題が後を絶たない。エデン・アザールがフランスのラジオ局『RMC』のインタビューに応じ、「わたしの心は決まっている。自分がどうすべきかよく理解している」と答えたという。

好調であれば笑い飛ばせる。「そうか、来シーズンもチェルシーに残ってくれるんだな」と前向きにとらえられる。ただ、アザールはレアル・マドリーに対する憧れを隠さず、数か月前にも「今シーズンは残るよ」と微妙な発言で物議を醸したばかりだ。ボルシア・ドルトムントからクリスティアン・ブリシッチを獲得した(今冬はローンバック)事実も、アザール退団の布石といわれている。マウリツィオ・サッリ監督をはじめとする首脳陣も気が気ではないだろう。

しかも、そのサッリからネガティブな発言が相次いでいる。頑なすぎるゲームプランが低調を招いたにもかかわらず、敗因を選手たちのモチベーション低下に責任転嫁した。当然、数人の主力は反発する。ロッカールームのムードは芳しくなく、アントニオ・コンテ体制下の晩年に似ているとの情報も伝わってきた。アザールに関してもどこか投げやりだ。

「残ってほしいけれど、移籍したいのならそうすべき」

こうした状況で週末のマンチェスター・シティ戦に勝てるのだろうか。大方の予想を覆し、前回対戦では2-0の勝利を収めたにもかかわらず、その後の9試合は5勝1分3敗。サッリの不用意な発言とメンバーの固定化が混乱と疲弊を招き、パフォーマンスが極端に低下している。前節の圧勝も、ハダースフィールドが非力だったからだ。

たしかにシティも疲れている。2月6日に行われた27節(リーグカップ決勝の影響で日程変更)のエヴァートン戦も2-0で勝ったとはいえ、試合内容は寒かった。らしくないパスミス、コントロールミスも散見し、攻守の切り替えも鈍い。しかし、監督と選手の間に溝はない。グアルディオラは時おり激しく叱責するが、みずからの非も認める。あるときは不当な報道から選手を守る。このマネジメントこそがシティの強みであり、グアルディオラの魅力でもある。

エヴァートン戦から中三日。度重なる故障に苦しんでいるバンジャマン・メンディが復帰する公算大とはいえ、シティのスケジュールは相変わらずタイトだ。チェルシーはハダースフィールド戦から中六日。体力的なアドバンテージがあるとはいえ、両チームの内情を踏まえると、やはりシティが有利だ。指揮官と選手の心が通じ合わないチェルシーが、ビッグファイトに勝てるとは思えない。

※シティ対チェルシー戦は、2月10日 (日) 深夜 00:45分から『J SPORTS 4』でライブ中継いたします。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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