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今週末、重要なマンチェスター・シティ戦を控えているというのに、アーセナルのDFラインには負傷者が続出している。エクトル・ベジェリンとロブ・ホールディングは今シーズン絶望の重傷だ。ソクラティス・パパスタスプーロスの復帰は早くても2月下旬といわれ、ロラン・コシェルニーとエインズリー・メイトランド=ナイルズも、試合当日のフィットネスチェックいかんで起用できなくなる。
また、24節のカーディフ戦を見るかぎり、ナテョ・モンレアルとステフェン・リヒトシュタイナーはマッチフィットネスが整っておらず、カール・ジェンキンソンもケガが治ったばかりだ。
しかも、攻撃を司るはずだったメスト・エジルがすっかり脆くなった。こうした状況で「シティに勝て」とは酷な要求だ。DF陣が壊滅状態で、攻撃もアレクサンデル・ラカゼットとアーロン・ラムジーの個人能力に頼るしかないのだから、効果的なゲームプランなどこの世には存在しない。ウナイ・エメリ監督が猫の目の色のようにスターティング11を変えるため、連携も成熟しない。そしてジョゼップ・グアルディオラ監督率いるシティに、プレミアリーグでは1分4敗。エメリも敵将との通算成績は4分7敗。苦手意識はある。
もちろん、勝機がないわけではない。2-0の勝利を収めたチェルシー戦のように前線から激しくチェックし、MFとDFも連動できればチャンスは少なからず訪れる。高めに設定されたシティ最終ラインの背後をラカゼットとピエール・エメリク・オバメヤンがつき、フェルナンジーニョをラムジーが牽制できれば、アーセナルの時間帯も創れるはずだ。
ただ、くどいようだが、主力が揃わないDF陣がシティの攻撃を食い止められるだろうか。セアド・コラシナツは攻め上がると戻ってこない。ショコドラン・ムスタフィはプレスをかけられるとオドオドする。
さて、シティは24節のニューカッスル戦で苦杯を舐めた。グアルディオラ監督も「セカンドボールの対応が悪かった。すぐに修正しなくてはならい」と苦言を呈している。しかしプレーの質、連携、運動量などが極端に低下しているわけではない。膝に不安を抱えるバンジャマン・メンディの出場が微妙とはいえ、ダニーロ、ファビアン・デルフ、オレクサンドル・ジンチェンコなどで、とりあえず当座はしのげるだろう。
24節終了時点で首位リヴァプールとは5ポイント差。アーセナル戦から中二日でエヴァートン、さらに中三日でチェルシーと厄介な相手が続くものの、シティの底力なら3連勝も十分に可能だ。ニューカッスルに敗れた後、グアルディオラ監督も気合を入れ直していた。
「この先、なにが起きるか楽しみじゃないか」
プレミアリーグは、まだ終わっちゃいない。
※シティ対アーセナル戦は、2月3日 (日) 深夜1:15から『J SPORTS 4』でライブ中継いたします。
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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