7連勝でも浮かれるな。ユナイテッドが改善すべきポイント

ジョゼ・モウリーニョからオーレ・グンナー・スールシャールへ──。監督が代わっただけで、マンチェスター・ユナイテッドは見違えるほど明るく、なおかつ攻撃的になった。公式戦は7連勝。一時は絶望的といわれたチャンピオンズリーグの出場権も、23節終了時点で4位チェルシーに3ポイント差まで迫っている。照準に捉えたといって差し支えない。

また、3位トッテナムとも7ポイント差だ。しかもノースロンドンの強豪は、ハリー・ケインが足首の負傷で3月初旬まで戦列を離れ、ソン・フンミンもアジアカップの韓国代表に合流した。攻撃力の大幅低下は避けられそうもなく、ユナイテッドが一気に追いつき、追い越す可能性も十分にある。

しかし、ユナイテッドのパフォーマンスも落ちてきた。21節のニューカッスル戦は辛抱する時間が長く、続くトッテナム戦はGKダビド・デヘアの神がかった反応に助けられた。23節のブライトン戦もフワッと入り、バタバタしながら終わった。したがってFAカップを含めた7連勝に浮かれることなく、不安材料を改めてチェックしなければならない。

フィル・ジョーンズは対人能力が落ち、ボールを受ける姿勢が相変わらず悪すぎる。パスの精度も水準以下だ。アントニー・マルシャルは疲れているのか、ドリブルにやや精彩を欠き、マーカス・ラシュフォードもブライトン戦で無駄なイエローカードをもらっている。ラフプレーに腹を立て、報復行為に出るケースも時おり見かけるが、精神面のコントロールが肝心だ。

さらにロメル・ルカクは例によってボールが収まらず、ゲームキャプテンのアシュリー・ヤングは34歳という年齢が嘘のように気合いが空まわりする。7連勝だからこそ注視し、改善を要するポイントだ。

そしてマッテオ・ダルミアンのユベントス移籍（ローン）は、非常に気になる動きだ。この交渉は今週末にも成立する公算が大きいといわれているが、ダルミアンを失うとサイドバックは人材不足に陥る。ルーク・ショー、ジオゴ・ダロト、ヤングの3選手ではローテーションできない。アントニオ・バレンシアは依然としてコンディション調整に苦しみ、モチベーションを失いつつもある。市場には有力なタレントが見当たらず、強化担当のエドワード・ウッドワードは交渉が絶望的にヘタクソだ。ヘンテコリンな選手を押しつけられるのなら、エリック・バイリーを右サイドに起用した方がはるかにいい。

スールシャール体制発足後、右肩が上がりっぱなしのユナイテッドとはいえ、試合内容や人員など、チェックすべき箇所は少なくない。いまこそ冷静、かつ的確な視点が必要だ。