人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2018年12月19日

時代後れの戦略、内部分裂のダメージ・・・。モウリーニョ解任

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
  • Line

リヴァプール戦終了後、ガリー・ネビルは語った。

「ジョゼ・モウリーニョがマンチェスター・ユナイテッドの監督でいられるとは思えない」

現役当時はキャプテンとしてクラブを支え、いまも内情をよく知る男の発言は、高い信ぴょう性をもって世界中に発信された。そしてチェルシーを追われてから丸3年の12月18日、モウリーニョ解任──。

彼が着任した当時、関係者もサポーターも信頼し、期待もしていた。「デイビッド・モイーズとは違う。本物のなかの本物」「ルイ・ファンハールのような理想主義者ではなく、徹底した現実主義者。多くのタイトルをもたらしてくれるに違いない」

しかし、相手の長所を消すだけのフットボールは時代後れであり、モウリーニョのリクエストによって獲得した選手は、なぜか単年しかが活躍できない。また、今シーズンは堅守で鳴らす指揮官のチームとは思えない脆弱ぶりで、早くも29失点。昨シーズンは28失点と、リーグ2位のデータを残した守備網が機能不全に陥った。

結局、プレミアリーグの優勝争いには一度も加われなかった。一昨シーズンは6位、昨シーズンは優勝したマンチェスター・シティとは19ポイント差の2位、今シーズンは17節終了時点で首位リヴァプールとまたしても19ポイント差の6位。およそ2年半の在任期間で獲得したタイトルは、ヨーロッパリーグとリーグカップが一度ずつだ。期待を大きく裏切った、といって差し支えない。

また、内部分裂のダメージも大きかった。モウリーニョが公の場で数人の選手を叱責すれば、ポール・ポグバはSNSに不適切なタイミングで不適切な投稿を繰り返す。この対立は一部タブロイド紙によって脚色され、モウリーニョがこう言った、ポグバが反論したという確固たる立証がないケースでも、推論に基づいて終始スキャンダラスに伝えられた。

こうした報道は、事の真偽にかかわらず人間関係にひびを入れる。当事者だけではなく、周囲にも悪影響を及ぼす。現場のムードは最悪だったに違いない。ましてモウリーニョはリヴァプール戦でポグバを使わず、攻めの形を創れないまま1-3の敗北を喫した。チャンピオンズリーグを含めた12月の5試合は、1勝2分2敗と低調だ。モウリーニョを擁護してきた上層部(彼らにも責任はある)も、守れなくなったのだろう。強烈な個性で一世を風靡した野心家は、わずか二年半でユナイテッドを去っていった。

モウリーニョが退任したのだから、彼に反旗を翻したとされる選手たちは真価を発揮しなくてはならない。今週末のカーディフ戦で監督代行を務めるマイケル・キャリックに、その後、今シーズン終了までの暫定監督に就任する可能性が高いオーレ・グンナー・スールシャールにアピールする必要がある。

そしてなにより、サポーターの信頼をふたたび勝ちえなければならない。走らず、闘わず、ピッチ上をチンタラさまよっているようなヤツは、いますぐに荷物をまとめた方がいい。危機感を持て!

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ