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サッカー フットサル コラム 2018年10月10日

スキャンダルを肥やしにした稀代のヒール…。テリー引退

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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10月7日、ジョン・テリーがスパイクシューズを脱いだ──。

ウェイン・ブリッジのガールフレンドに手を出したり、数人の選手と謀ってルイス・フェリペ・スコラーリ、アンドレ・ヴィラス=ボアスといった監督をチェルシーから追い出したり、なにかとスキャンダラスな男だった。イングランド代表として出場した2010年の南アフリカ・ワールドカップでは、ファビオ・カペッロ監督(当時)に無断で記者会見を開き、周囲のヒンシュクを買ったこともある。

ただ、その強烈すぎる個性でチェルシーをまとめ、リーグ優勝、さらに悲願のチャンピオンズリーグ制覇などにもっとも貢献した選手のひとりである。07-08シーズンのチャンピオンズリーグ決勝ではPK失敗。あのとき、スリップしなければ……。

さて、第二の人生はまだ決定していない。現場に残りつつ、コーチライセンスの取得をめざす、といわれている。カペッロ、ジョゼ・モウリーニョ、カルロ・アンチェロッティなど、クセの強い監督に師事してきただけに、指導者としても成功するかもしれない。あるメディアが格別の待遇で受け入れる、との情報も伝わってきた。弁は立つ方だ。物言いもストレートだ。人気コメンテーターへの道を切り拓けるかもしれない。

それにしても……。

テリーの引退は、ひとつの時代が確実に終わったのだな、と実感せざるをえない。スティーブン・ジェラードはグラスゴー・レンジャーズ、フランク・ランパードはダービー・カウンティの監督を務めている。ライアン・ギグスはウェールズ代表のボスに就任し、ティエリ・アンリはベルギー代表のコーチだ。一世を風靡した男たちはスパイクシューズを脱ぎ、その経験を次の世代に伝授しようとしている。

いずれ彼らが、プレミアリーグでふたたび相まみえる日もやって来るだろう。ランパードがチェルシーの監督、ギグスがマンチェスター・ユナイテッドで、ジェラードはもちろんリヴァプール。アンリがアーセナルを率い、テリーはノッティンガム・フォレスト、あるいはアストンヴィラの再建に着手する、という構図もおもしろい。いや、ランパード指揮下のチェルシーで副官を務めるか。

近代フットボールは日々レベルアップしているが、テリーのような個性派が、ヒールが少なくなってきたことも確かだ。好き嫌いやコンプライアンスは別にして、スキャンダルを肥やしにするタイプも、またプロフェッショナルだ。マンチェスター・ユナイテッド目線でいわせてもらえれば、テリーほど憎たらしい男はいなかった。お疲れ様。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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