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サッカー フットサル コラム 2018年8月10日

最初の腕試しは最強シティ。アーセナルは大仕事をやってのけるか

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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最初の腕試しはディフェンディング・チャンピオンのマンチェスター・シティが相手だ。ウナイ・エメリ新監督率いるアーセナルにとって、2018-19シーズンは胸が高鳴るスタートである。

失うものはなにもない。いま、自分たちがどの程度のレベルにあるのかを推し量るうえで、シティは最強、かつ最高の敵だ。足首を痛めているダビド・シルバ、筋肉系のトラブルを抱えたバンジャマン・メンディは欠場する予定だが、ヴァンサン・コンパニ、ケビン・デブライネ、ジョン・ストーンズ、カイル・ウォーカー、ラヒム・スターリングなど、ワールドカップの疲労が心配された主力もフィットネスは整っているようだ。スタメンから外れたとしても、ベンチには入る公算が大きい。

一方、アーセナルはナチョ・モンレアルとセアド・コラシナツが負傷で使えないため、左サイドはエインズリー・メイトランド=ナイルズの先発が濃厚だ。ふてぶてしさと汎用性が魅力の若者は、どこまでシティに牙をむけるだろうか。さらにルーカス・トレイラが中盤に、センターバックにはソクラティス・パパスタスプーロスなど、数人の新戦力もスターティング11に名を連ねるに違いない。

そしてプレシーズンマッチでテストし、効果が出始めているカウンタープレスがどの程度シティに通じるか──が、この試合のポイントだ。

昨シーズンまでのアーセナルは、ボールを奪われたあとの対応が曖昧だった。すぐに取り返すのか、リトリートするのか……。しかし、今シーズンはエメリ新監督のプランが早々に浸透している。できるだけ高い位置でボールを奪い返そうとする意思がチーム全体にはたらき、ボールホルダーを追いまわし、パスコースをふさぎ、ズルズルと下がるケースは確実に少なくなっている。

もちろん、シティは手練れの集団だ。応用力が非常に高いため、アーセナルの動きにも対応するだろう。完成度でも比較にならない。

しかし、主力のコンディションに委ねるだけだった昨シーズンまでと異なり、エメリのアーセナルにはカウンタープレスという基本戦術がある。ボールを保持している際には2CBと中盤一枚は自重する動きも、プレシーズンマッチでみられた改善点だ。

また、「プレスに向いているフォーメーションは4-1-4-1だ」と新監督が語っているため、ヘンリク・ムヒタリアン、アレクサンドル・ラカゼット、エリック・オバメヤン、メスト・エジル、アーロン・ラムジーなど、アーセナルが誇るタレントがどのポジションに起用されるのか、興味津々でもある。

各報道機関の予想はシティ有利だ。「アーセナルは新チームになって日が浅いため、シティには太刀打ちできない」といった論点が多数を占める。ただ、エメリの手腕により、個人能力依存型からチーム戦術重視型へ、すなわち近代フットボールに適応できるスタイルに、アーセナルが変わりつつあることは間違いない。開幕早々、大仕事をやってのけるか!?

※シティ対アーセナル戦は、8月12日午後11時45分からJ SPORTS 4でライブ中継いたします。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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