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サッカー フットサル コラム 2018年8月3日

ロシアワールドカップ出場者続出のトッテナム。ソン・フンミンのアジア大会参戦の影響は?

元川悦子コラム by 元川 悦子
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武藤嘉紀が移籍するニューカッスルとの11日の開幕戦で18-19シーズン・プレミアリーグの戦いがスタートするトッテナム。2014年夏のマウリシオ・ポチェッティーノ監督就任後は、14-15シーズンが5位、15-16シーズンが3位、16-17シーズンが2位と着実に順位を上げてきていただけに、昨季は58年ぶり3度目のリーグタイトルへの大きな期待が寄せられた。しかし、シーズン序盤からマンチェスター・シティが独走し、マンチェスター・ユナイテッドも手堅い戦いを見せたことから、この上位2強の牙城を崩すことができず、最終的に3位でフィニッシュ。熱狂的なスパーズ・サポーターも多少なりとも落胆を覚えたことだろう。

だからこそ、今季こそ何としても栄冠を手にしたいところ。昨季はホワイト・ハートレインが改修工事に入り、ウェンブリーを仮の本拠地にしていたが、今季からついにトッテナム・ホットスパースタジアムがオープン。6万1000人収容の新スタジアムに移行するということで、クラブ全体の士気が高まっているはず。新たなスタジアムに移ると成績が下降するクラブもあるが、トッテナムはその悪い例を踏襲したくはないだろう。

昨季30ゴールを挙げ、2018年ロシアワールドカップでも得点王に輝いたハリー・ケイン筆頭に若くタレントが揃うチームがどのような変貌を遂げるかは非常に興味深いところ。ただ、ポチェッティーノ監督にとって悩ましいのは、ロシア大会に参戦した選手が多く、彼らの合流が遅れたこと。イングランド代表で言えば、ケイン、キーラン・トリッピアー、ダニー・ローズ、エリック・ダイアー、デレ・アリの5人が該当するし、ベルギー代表もトビー・アルデルヴァイレルト、ヤン・フェルトンゲン、ムサ・デンベレがいる。優勝国・フランスのウーゴ・ロリスもその1人ということで、まさに主力の大半が十分な調整のできないままシーズンインすることになる。そこはやはり気がかりだと言うしかない。

ロシアでは1次リーグ敗退を強いられたものの、ドイツに勝利するという歴史的偉業を果たした韓国のソン・フンミンもシーズン序盤にチームを空けるという事態に直面している。彼は8月10日~9月1日にインドネシアで開催されるアジア大会に韓国代表として参戦することが決定。11日のニューカッスル戦後にインドネシア入りするという。韓国はバーレーン、フィリピン、マレーシアと同組で、12日の初戦・バーレーン戦は欠場するものの、そこから先はエースFWが参戦。優勝を虎視眈々と狙いにいく。

それも兵役免除を得るために他ならない。韓国では19~32歳の男性は約2年間の兵役義務があるが、サッカー選手は27歳までに入隊しなければならない。彼が兵役免除を得るには、26歳のこのタイミングでアジア大会優勝の栄誉を手にするしかないのだ。

ゆえに彼はわざわざオーバーエージで同大会に挑み、タイトル獲得のキーマンとして働くのだ。本気を出した時のソン・フンミンは本当に怖い。森保一監督率いるU-21日本代表にとっては本当に手強い相手になるはずだ。

つまり、ソン・フンミンは9月1日までのフラム戦、マンチェスター・ユナイテッド戦を欠場。9月2日のワトフォード戦も間に合わないだろう。その間にトッテナムがどういう状況になっているか分からないが、昨季12ゴールを叩き出した点取り屋を欠くのはやはり痛いはず。

昨季終盤にはケインを1トップに置いて、2列目にエリック・ラメラ、クリスティアン・エリクセン、ルーカス・モウラを並べるような策も講じたが、そうやって戦術や陣容を変化させながら、何とか苦境を乗り切るしかないだろう。

ただ、その新たな形がはまり、トッテナムが快進撃を見せるようなことがあれば、戻ってきたソン・フンミンが苦境に陥ることになる。自分の居場所を取り戻すための戦いを余儀なくされる可能性も否定はできない。

シーズン序盤に所属クラブを離れるというのは選手にとって極めてリスクが高いこと。過去の実績があるソン・フンミンと言えども、例外とは言い切れないのだ。

果たして新シーズンのトッテナム、そして韓国代表エースFWがどのような動向を見せるのか。そこはプレミアリーグファンにとっての大きな関心事に他ならない。新スタジアムの影響を含めて、今季はまずスパーズの一挙手一投足に注目したい。

代替画像

元川 悦子

もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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