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サッカー フットサル コラム 2018年8月1日

岡崎慎司の同僚DFマグワイア。レスター残留有力? それともマンチェスターU移籍か?

元川悦子コラム by 元川 悦子
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2018年ロシアワールドカップが終わって半月。いよいよ欧州各国は新シーズン開幕モードに突入している。イングランド・プレミアリーグの18-19シーズンも8月10日夜(日本時間11日未明)のマンチェスター・ユナイテッド対レスター戦から幕を開けることになる。岡崎慎司が所属するチームがオープニングマッチを戦うということで、日本でも関心は大いに高まるだろう。

その両者の間で激しい綱引きが行われているのが、イングランド代表DFハリー・マグワイアである。ちょうど1年前の2017年夏にハル・シティからレスターへ移籍した93年生まれの若きセンターバックは194㎝の長身を生かした競り合いの強さとマークの激しさを武器に急成長。昨季はリーグ38試合出場2得点という目覚ましい実績を残した。

レスターの最終ラインは奇跡のプレミア制覇を成し遂げた15-16シーズンからウェズ・モーガンとロベルト・フートの両センターバックが軸を担ってきた。が、フートがシーズン開幕時に足首のケガで長期離脱を強いられ離脱。そのスキを突くようにマグワイアがチャンスをつかみ、一気に大黒柱へとジャンプアップした。そのパフォーマンスを高く評価したイングランド代表のガレス・サウスゲート監督も昨年8月のロシアワールドカップ欧州予選・マルタ戦で代表初招集に踏み切り、10月の同リトアニア戦で初キャップの機会を与えた。

これで自信をつけた大型DFはそのままイングランド代表のレギュラーポジションをゲット。ご存知の通り、ロシア大会では7試合全てに出場。指揮官がスタメンの多くを温存した6月28日の1次リーグ最終戦・ベルギー戦だけは後半からの出場となったが、カイル・ヴォーカー、ジョン・ストーンズ(ともにマンチェスターC)と形成した3バックは高い安定感を誇った。今大会のイングランドは堅守を大きな特徴としたチームだったが、その一翼をマグワイアが担っていたのは間違いない。

さらに彼にはセットプレーからの得点力という武器があり、実際に7月7日の準々決勝・スウェーデン戦でも前半30分に打点の高いヘッドを決めている。このシーンのみならず、多くのリスタート時にマグワイアがターゲットになっていて、相手チームも大いに手を焼いていた。単に高さがあるだけでなく、ポジショニングのよさ、敵との駆け引きのうまさ、フリースペースに入り込む感覚の鋭さを兼ね備えていて、キッカーのキーラン・トリッピアー(トッテナム)も目標を定めやすかったに違いない。彼がイングランド4位の原動力になったのは誰もが認める事実だろう。

それだけ存在感をロシアの大舞台で示した逸材だから、プレミアのビッグ6からオファーが届くのも当然のこと。現時点で特に熱心なのが、ジョゼ・モウリーニョ監督率いるマンチェスターUだという。イングランドでの報道では95億円近い巨額の移籍金を提示して獲得に乗り出しているようだ。

しかしながら、レスターの方も昨季獲得したばかりのマグワイアを手放す気は一切ない様子。フートが昨季限りで退団し、モーガンもすでに34歳と大ベテランの域に差し掛かっているため、レスターとしてもマグワイアにいてもらわなければならないという事情もある。これまでマンチェスターUやアントワープ、サンダーランド、ウエストブロミッチでキャリアを積んだ30歳のジョニー・グラント・エバンスを新戦力として獲得したものの、彼がどこまでレスターにフィットするかも未知数の部分がある。

昨季も期待の大きかったFWケレチ・イヘアナチョがわずか3ゴールに終わるという予想外の展開に陥っているだけに、新戦力に依存するのは厳しい。クロード・ピュエル監督にとってもマグワイアが残留するか否かで今季の戦い方が大きく変わると言っても過言ではないだけに、何としても引き留めたいのが本音だろう。

マグワイアにしてみれば、ビッグ6の名門・マンチェスターUに赴けば、プレミアのみならず、UEFAチャンピオンズリーグの大舞台を経験できるというメリットがある。ジェシー・リンガードやマーカス・ラッシュらイングランド代表のチームメートもいて、いい刺激を得られる環境であるのも事実だ。ただ、レスターに残ればより重責を担い、リーダーシップを発揮しながらシーズンを戦うことができる。それはDFにとって大きな経験値になる。果たしてマグワイア自身はどちらを選ぶのか。今季のプレミア移籍期限は開幕直前の9日に設定されている。あと10日弱でどういう結論になるのかをしっかりと見極めたい。

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元川 悦子

もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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