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5月26日(現地時間)のチャンピオンズリーグ決勝でリヴァプールは1-3の敗北を喫したが、以下の三点が勝敗の分岐点だ。
➀サラーの負傷退場
今シーズンの公式戦で44ゴール・16アシスト。躍進の原動力となったエースストライカーは右肩を痛め、わずか31分でピッチを後にしなければならなかった。この結果、リヴァプールのゲームプランは大幅に狂い、レアル・マドリーはプレッシャーから解放された。それにしても……。チェルシーで一世を風靡したフランク・ランパードは、セルヒオ・ラモスのチャージを「正当なプレー」と語っているが、腕を絡めながら全体重をかけたようにも見える。意図的か、不可抗力か。「まるでレスリングの技みたいだった」。ユルゲン・クロップ監督も不快感を隠していない。②カリウスの痛恨
凡ミスをふたつも犯してしまったのだから、猛省しなくてはならない。とくに51分の失点は、視界にとらえていたはずのカリム・ベンゼマを警戒していなかった。完全に不注意である。ただし、今シーズンのカリウスはいくつかの好セーブでチームを救ってきた。この事実を忘れてはいけない。③カードの切り方
後半になって足が止まりはじめたジェイムズ・ミルナーを、83分まで引っ張った。ロベルト・フィルミーノにハイクロスを入れても、S・ラモスとラファエル・ヴァランヌには空中戦で勝てない。なぜ、ロベルト・ソランケを投入しなかったのだろうか。クロップ監督の采配にも疑問は残る。やはり、ゼリコ・ブバチの離脱は大きなダメージだった。有能なアシスタントコーチが傍らに寄り添っていれば、早め早めの選手交代を進言していたに違いない。とはいえ、チャンピオンズリーグは予備戦からの決勝進出。シーズン前の低評価を覆す快進撃だ。フィルジル・ファンダイクの入団で守備が安定し、自慢の3トップは世界有数の破壊力を有している。13シーズンぶりの戴冠こそ逃したものの、総体的には満足できるシーズンだった。
当然、新シーズンはプレミアリーグでも優勝候補の一角であり、戦力の拡充を急がなくてはならない。すでにナビ・ケイタとファビーニョの入団が決まっている。リヨンのナビル・フェキール、ASモナコのトマ・レマールとの交渉も順調と伝えられ、移籍市場ではライバルたちを一歩リードしたようだ。
チャンピオンズリーグ決勝で流した涙は明日への活力だ。悔しさを胸に秘め、大きな成功をつかめばいい。お楽しみは、もう少しだけとっておこう。
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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