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サッカー フットサル コラム 2018年5月16日

準備の違いでライバルチームを圧倒。シティの優勝は極めて妥当だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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2017-18シーズン開幕時点のデータである。

【最多勝点】95/チェルシー(04-05シーズン)
【最多ゴール】103/チェルシー(09-10シーズン)
【最多勝利】30/チェルシー(16-17シーズン)

群雄割拠となった近年のプレミアリーグを踏まえると、当分の間は破られそうにない記録かと思われた。ところがマンチェスター・シティがあっさりと、実にあっさり塗り替えてしまった。勝点100、ゴール数は106にも及び、勝利数は32。今シーズンのシティは、とにかく・とにかく強かった。

最大の勝因は〈準備〉である。昨シーズンは3位に終わったものの、手ごたえがなかったわけではない。ジョゼップ・グアルディオラ監督がめざす高度なポゼッションが徐々に浸透し、方向性は明確だった。中盤戦以降の失速は守備陣の質に少なからぬ不安が顕在したためで、強化するポイントを誤りさえしなければ、今シーズンの成功は約束されたものだったのかもしれない。

だからこそグアルディオラ監督は、GKとサイドバックを刷新。エデルソンやカイル・ウォーカーなど、対戦相手のプレスにも動じない選手を揃え、最後方からでもつなぐ〈こだわりの美学〉を実践する。また、ショートパスにこだわらず、自陣深めからのカウンターでは、5~6人の選手が長距離のスプリントを仕掛ける新たな魅力まで披露した。

さらに、ケビン・デブライネは終盤戦でやや息切れしたものの、正確無比のキックと無尽蔵のスタミナ、豊富なアイデアで〈プレミアリーグの顔〉と呼ぶべき存在になった。ラヒム・スターリングは18ゴールを挙げながら、なぜか「決定力不足」と不当に批判されるまでの領域に入り、レロイ・ザネのシュートは強烈すぎる。マーカーがからだを投げ出すことさえはばかられる無慈悲なレベルではないか。彼らも今シーズンの新戦力同様、グアルディオラ監督の指導によって急成長し、優勝に大きく貢献した。

「グアルディオラ体制下の2シーズンで4億ポンド(約600億円!)もの補強費を使っているのだから、強くなって当然だ」

嫉妬込みの批判も聞こえてくる。しかし、適材適所に使ったからこそ、多くのデータで史上最高を記録した。長年の課題である守備陣の補強を、アーセナルはまたしても怠った。マンチェスター・ユナイテッドはチーム創りが雑すぎる。リヴァプールも守備陣の修繕が遅きに失し、チェルシーとのトッテナム・ホットスパーは選手層に問題を抱えていたにもかかわらず、夏の市場では消極的だった。

選手個々が高いレベルを維持し、なおかつグアルディオラ監督が選んだ新戦力が活躍したのだから、シティの優勝は極めて妥当な結果だ。彼らの経済力を云々するよりも、自分たちの足もとを見つめなおしたほうがいい。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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