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サッカー フットサル コラム 2018年4月6日

優勝決定戦となるマンチェスターダービーへの影響は?UCL準々決勝第1レグでリバプールに完敗したマンチェスターC

元川悦子コラム by 元川 悦子
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UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)8強入りしたリバプールとマンチェスター・シティ。この両イングランド勢が準々決勝で奇しくも顔を合わせた。その第1レグが4日にリバプールのホーム・アンフィールドで行われ、ユルゲン・クロップ監督率いる機動力溢れる赤の軍団が3-0で完勝。圧倒的優位な状況で10日の第2レグに突入することになった。

クロップ監督とジョゼップ・グアルディオラ監督は、それぞれがボルシア・ドルトムントとバイエルン・ミュンヘンを指揮していた頃から何度も対決し、クロップ監督が土をつけることが少なくなかった。今季のイングランド・プレミアリーグでも、リバプールは1月14日のアンフィールドでのゲームを壮絶な打ち合いの末に4-3で勝利。

今季のマンチェスターCが3失点以上したのはこの一戦だけだ。グアルディオラ監督にとってクロップ監督はある意味、「天敵」と言ってもいい存在だろう。今回も最大級の警戒を払いつつ、敵地に乗り込んだはずだった。

ところが、試合前にリバプールサポーターがマンチェスターCのバスを取り囲み、発煙筒や酒瓶などを投げ込む事態が発生。スタジアム全体が不穏な空気に包まれた。それでグアルディオラ監督や選手たちがナーバスになった可能性は少なからずある。実際、試合の入りはやや重さが感じられた。そんな彼らとは対照的にリバプールは序盤からハイプレスを仕掛け、ボールを奪うとアグレッシブにゴールへと突き進んでいく。

その姿勢が前半12分にいち早く結実し、サラーが先制点を挙げる。右サイドのタテパスに反応したサラーが持ち込み、ロベルト・フィルミーノがシュート。GKが弾いたこぼれ球をフィルミーノが再び拾って、中央へ走り込んでいたサラーへ。次の瞬間、チーム最大の得点源がしっかりと決めきり、リバプールは勢いに乗った。

マンチェスターCにとって大きなダメージだったのが、前半21分にチェンバレンが決めた豪快なミドル弾だ。何とか巻き返しを図ろうとしていた矢先の追加点で、グアルディオラ監督も頭を抱えるしかなかった。そして極めつけは前半31分のサディオ・マネの3点目。これもサラーがお膳立てしたが、リバプールの効率的攻めを前に試合巧者であるはずのマンチェスターCはなす術もなかった。

後半に入って一矢報いるべく、グアルディオラ監督はイルカイ・ギュンドアンを下げてラヒム・スターリングを投入。打開策を講じようとしたが、フィニッシュの精度を欠く。この日の彼らはシュートわずか6本にとどまり、枠内シュートに至っては信じがたいことにゼロだった。今季プレミア21ゴールのセルヒオ・アグエロというエースFWが不在だったにせよ、この日は同16点のスターリング、同9点のガブリエル・ジェズス、レロイ・サネらがピッチに立っていた。にもかかわらず、超一流アタッカー陣が思うように仕事ができなかったのは、リバプールのハイプレッシャーが想像以上のレベルだったからだろう。クロップ采配は確かに完璧だった。ただ、それを差し引いても、プレミアで首位を独走してきたチームとしてはやはり物足りない戦いぶりだったと言わざるを得ない。この敗戦のダメージがどう出るかが懸念されるところだ。

マンチェスターCは今週末の7日、マンチェスター・ユナイテッドとの大一番を控えている。本拠地、エティハド・スタジアムでのマンチェスターダービーという最高の舞台で大一番を制することができれば、4シーズンぶりのプレミア制覇が決まる。

チーム全体が優勝決定に向けて驀進している今、リバプールに手痛い敗戦を喫したことは、前向きなムードに水を差すことになりかねない。準備時間3日しかないが、彼らはいかにして王者の風格を取り戻すのか。そこはグアルディオラ監督のチームマネージメント次第と言っていい。

ジョゼ・モウリーニョ監督率いるマンチェスターUは堅守が最大の強み。だからこそ、マンチェスターCは持ち前の爆発力を示して、相手ゴールをこじ開けなければならない。次戦はアグエロも戻ってくると見られるが、とにかくFW陣が得点という結果をキッチリ奪うことが先決だ。それができれば、意外とすんなり優勝が決まる予感もある。ここまでわずか1敗と今季プレミア開幕から快進撃を続けてきたチームらしい戦いぶりを、今一度、我々の目に焼き付けてほしいものである。

代替画像

元川 悦子

もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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