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サイクル ロードレース コラム 2013年10月24日

輪島ロード開催中止

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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今週末に開催予定だったJプロツアー第16戦(最終戦)の 『JBCF輪島ロードレース』 が開催中止となりました。

先般の台風26号の雨で地盤が緩み、数カ所でコースのり面が崩落、落石などが見受けられ、警察、消防とも協議し、台風27号が直撃しない場合でも、その影響により、コースの安全性が確保できないと判断。また、コース上のみならず、会場への交通手段も含めて考えあわせると、どのような不測の事態が起こるかわからず、連盟としては断腸の思いで中止する事を決定したとのことです。

我々としては非常に残念な決定ではありますが、主催者サイドの立場で考えると妥当な判断だとも思うので、今シーズン最終戦となる 『ツール・ド・おきなわ』 に向けて気持ちを切り替えていきたいと思います。

これで、当初全17戦が予定されていた2013年Jプロツアーは、15戦(輪島ロードと幕張クリテが開催中止)で全日程を終えることになります。

宇都宮ブリッツェンの最終成績は、

個人ランキングで、鈴木真理選手が3位、飯野智行選手が5位、また、堀選手が新人賞部門で2位。

チームランキングは2位、という結果となりました。

昨年は圧倒的なポイント差で年間タイトルを獲得しましたが、個人ランキング1位の増田選手と同3位の初山選手が彼ら自身のステップアップのために移籍し、同4位の廣瀬選手が引退と、今シーズンは大幅にメンバーを入れ替えて育成型チームとして2年連続のタイトル獲得に挑みました。

しかし、予想以上に他チームの戦力補強が強力で、昨年に比べると“結果”がなかなかついてこないレースが続きました。

レース内容でみてみると、新エースの飯野選手が力を発揮したレースについては、宇都宮ブリッツェンはむしろレースをリードする側に立っていたと感じています。

劣勢の戦力を戦略面などでカバーして勝利につなげていた数年前に比べて、今年の宇都宮ブリッツェンは自ら力勝負に持ち込んで技で負けてしまうというパターンがいくつかありました。

正直、育成型チームを設定した以上は、少なくとも3年はこの体制(もしくはこの体制に近い)で活動を続けていきたいという気持ちがあります。

ただし、スポンサーを集めて運営している“独立型チーム”である以上は、理想だけではチームを継続していけないという現実とも突き当たってしまいます。

どのチームよりも筋を通した活動を継続していたとしても、やはり最終的な評価は“結果”になります。

来季は、今年打ち立てた方向性を少なからず修正する必要が生じています。

サッカーJリーグのような 『地域型チームの対抗戦』 を国内に創ることが宇都宮ブリッツェンの夢です。

わかりやすく言えば、『宇都宮ブリッツェン』 規模のチームと、『ジャパンカップ』 規模のレースを全国20以上の地域に創り、それらを束ねて、発掘&育成機能を備えたリーグを設立することが最終目標となります。

そして、そのリーグが 『ツール・ド・フランス』 での総合優勝を目指すナショナルプロチームを運営するのです。

これらのコンセプトがある限り、宇都宮ブリッツェンは国内レースに見切りをつけて海外へ飛び出していくという “手っ取り早い手段” を選択することができません。

理想と現実の間で折り合いをつけ、そして行動を正当化するための理念をしっかりと持ちながら、今後もブレずに進んでいきたいと思います。

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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