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【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第20ステージ】ポガチャル6勝目で有終の美。ツールに向け最終準備も完了。「ジロを良い気分で、良い脚で、良い体調で終えられた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「1回目の上りでは、ミッケル(ビョーグ)と(ヴェガールスターケ)ラエンゲンがずっと良いリズムを保ってくれた。山頂まで問題なく続けてくれたから、おかげで下りもリスクを冒す必要がなかった」(ポガチャル)
メイン集団から飛び出したジュリオ・ペリツァーリ
つまり、ポガチャルは、この時点でレースに鍵をかけてしまうつもりもなかった。フィニッシュまではいまだ80km近く残っていたし、そもそもモンテ・グラッパを2回攻略するうちの、1回目に過ぎない。「下見はしていない」と断言していたマリア・ローザにとって、1回目の上り下りは、下見代わりでもあったはず。だから山頂の数キロ手前、逃げとの差が1分半に縮まった時点で、ジュリオ・ペリツァーリがメイン集団から単独で飛び出していっても……一旦は黙認した。
ペリツァーリの第1の望みは、おそらく山岳ポイント収集だった。残るポイントは計80ptで、山岳賞首位ポガチャルとの差は82ptだったから、逆転はそもそも不可能。それでも、もしも1級モンテ・グラッパで最低でも5位通過(6pt)を果たせば、2位に再浮上はできる。そして2位に浮上すれば、少なくとも最終ステージを、青いジャージ姿で走ることができるのだ。少年時代から憧れてきたポガチャルの代わりに。
第16ステージではラスト700mまで逃げ続け、自らを非情にも抜き去ったポガチャルに「イタリア自転車界の明るい未来」と称賛されたペリツァーリは、この日も素晴らしい山の脚を披露した。いまだ前を走る数人を大急ぎで抜き去り、山頂直前、ついには逃げの3選手に追いついた。そのまま猛烈に踏み込み、堂々先頭通過、大量40ptを手に入れた!
モンテ・グラッパの雄大な景色の中で激しい攻防を展開
最初から逃げていたチームメイトの助けを得て、その後もペリツァーリは先を急いだ。一時はマリア・ローザ集団に45秒にまで差を縮められたものの、夢中で下りをこなしたせいか、再び2分40秒にまでこじ開けた。ただ2回目のモンテ・グラッパ登坂にさしかった直後、残り47km、ペリツァーリは早々に1人になった。
一方のポガチャルには、いまだ5人の仲間がついていた。まずはラエンゲンが引き、続いてビョーグが牽引を請け負った。すでに1回目の上りでたっぷり働いた2人が全力を尽くし終えると、今度はフェリックス・グロスシャートナーがテンポを刻む番だった。さらにドメン・ノヴァクにバトンが渡ると、いよいよペリツァーリとのタイム差も急激に縮んでいく。
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