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【ハイライト動画あり】続マチュー劇場!世界チャンピオンが泥のガーフェレを制する|シクロクロス2023 WC第10戦ガーフェレ:レビュー
サイクルロードレースレポート by 辻 啓マチュ―・ファンデルプール
「向かうところ敵なし」は自他ともに認める事実。順当に表彰台に上がった「ビッグ・スリー」の中で、この日もマチュー・ファンデルプールの走りはずば抜けていた。マチュー・ファンデルプールがUCIシクロクロスワールドカップ第10戦ガーフェレで連勝をマーク。「恐ろしく難しかった」という泥コースで、彼は恐ろしく速かった。
ファンデルプールが強いことはわかっていた。だがまさか開始4分から独走するとは誰も(JSPORTSで初実況を担当した小俣雄風太さんも)想定していなかったかもしれない。まだUCIワールドカップランキングでは下位のため2列目からのスタートとなったファンデルプールは、1周目の半ばには早くも先頭に躍り出ていた。
フランドル地方のガーフェレ(ブリュッセルの西60km、ヘントの南15km)はシクロクロスファンにとってお馴染みの場所。40年にわたってシクロクロスが開催されてきた地であり、1983年から2021年までスーパープレスティージュの一戦として、そして2022年からUCIワールドカップに組み込まれている。その特徴は起伏に富んだコースと森を覆う泥。とても乗車ではクリアできない長い登りと、世界最高峰のシクロクロッサーであってもバランスを崩す激下りが登場する。深い泥に刻まれた轍にタイヤをはめて、エアークッションに身体を擦り付けながらバランスを取るのはガーフェレならではだ。
ワウト・ファンアールト
「今日のようなコースでは前走者の後ろに付いてもアドバンテージがなくて、自分のラインを見定めることができるように前で入った方が有利」というファンデルプールは、1周目を終えた時点で後続に8秒差をつけていた。2番手を走行したのは「ビッグ・スリー」の一角ワウト・ファンアールト。「ランニング区間の多いコースは自分向きだった。できる限りマチューの近くで走って彼にプレッシャーを与えたかったんだ」という言葉通り序盤からプッシュしたが、徐々にその差は開いていくことになる。「2周目にミスをしてからマチューのペースに付いていけなかった。限界ギリギリで走っていたことが仇となって失速してしまった」というファンアールトは、一時的に後続に迫られながらも2位のポジションで走り続けることになる。
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