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サイクル ロードレース コラム 2023年9月9日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 レースレポート:第13ステージ】自転車史上初の「同一チームによる同一年3大ツール全制覇」に一歩前進。この夏のフランス王ヨナス・ヴィンゲゴー「ただ嬉しいし、誇らしい」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第13ステージ|Cycle*2023

あまりに突然の失速だった。フィニッシュまでいまだ90kmも残っていた。遅れを最小限で食い止めようと、1分半から2分程度の遅れで長らく抵抗を続けたし、「ウルフパック」の仲間たちも、文字通り全員体制で若きエースを支えた。しかしエヴェネプールの苦しみを察知するや否やユンボ隊列は容赦なくテンポを上げ、オービスクからの下りでは、バーレーン・ヴィクトリアスも加速に加わった。

続く1級スパンデルの上りで、遅れは一気に広がった。ブエルタ2連覇の夢は、苦しみの中で潰えた。今ジロはコロナ陽性のせいで、マリア・ローザを着たまま途中棄権を余儀なくされたエヴェネプールは、この日だけで27分05秒を失い、総合では19位に陥落した。

「僕のタンクは空っぽだった。すべてを尽くしたし、後悔はない。1日中、僕の側にいてくれて、僕のために全力を費やしてくれたチームメイトたちに感謝したい」(エヴェネプール)

そのスパンデルに向けて、前線ではちょっとしたスパーリングも繰り広げられた。最も活発に動き回ったのがヴィンゲゴーだ。下りで加速したミケル・ランダに、クスと共に呼応したり、自ら小さな加速を打ったり。そのたびにマルク・ソレルが穴を埋めに走った。26秒差で総合2位につけるスペイン人の背後に、ログリッチはただ影のように張り付いた。

小さな加速ごっこはスパンデル中腹で終え、ユンボは再びコントロールモードに切り替えた。ウィルコ・ケルデルマンがテンポを刻み始めた。すでにオービスクでさんざん働いたロベルト・ヘーシンクも、後方から大急ぎで追いついてくると、再び牽引役を買って出た。20人ほどにまで絞り込まれていた先頭集団に、つまりユンボ・ヴィスマはいまだ5人を残していた。残り16km、最終峠ツールマレーの序盤でヘーシンクが作業を終え、残り8kmでケルデルマンが脇に逸れるまで……圧倒的な数的優位を誇るユンボによる、凄まじい統制は続けられた。

ちなみにスパンデル山頂へ向けて、2年前の山岳賞ストーラーの山岳ポイント収集アタックだけは、ユンボは寛容な心で見逃した。ただ、その背後ではヴィンゲゴーが2位争いのスプリントに加わり、ボーナスタイム4秒をきっちり競り落としている(3位はフアン・アユソ)。それに、1日の終わりには、ヴィンゲゴーが山岳賞首位の青玉ジャージを身にまとうことになるのだ。

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