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【Cycle*2023 UCI世界選手権大会 女子エリート ロードレース:レビュー】ロッタ・コペッキーが悲願のマイヨ・アルカンシエル! トラック競技と合わせ7日間で3枚の“レインボー”でスーパー世界選手権の申し子に
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介優勝コペッキー、2位フォレリング、3位ルドヴィグ
コペッキーと並んで優勝候補最右翼に挙げられていたフォレリングは、フィニッシュ前で猛追し意地の銀メダル。たびたび見せ場を作ったルドヴィグが銅メダルにそれぞれ輝いた。後塵を拝したとはいえ、今大会のスーパーヒロインに負けたのなら仕方ない。2人の表情は悔しさよりも、充足感が上回った。
「ロッタはレース中、私にずっと怒っていました。“デミ、今しかないよ!”って。実際はファンフルーテンの復帰を待っていたので動きようがありませんでした。でも、それも含めてレースなのです。走り終えてからロッタとはそのことを笑い合いましたよ。彼女がチーム(チーム SDワークス)にアルカンシエルをもたらしてくれたのです。今はそれがうれしいです」(デミ・フォレリング)
併催のアンダー23ではカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー)が最上位となり、同部門のアルカンシエルを獲得。コペッキー、フォレリング、ヴァシュは普段、チーム SDワークスで一緒に走っており、同チームに所属する選手たちはこの大会で合計8つのメダルを獲得。改めて、ウィメンズプロトンの構図を示す格好になった。
長きにわたってトップに君臨したファンフルーテンは、歓喜のコペッキーから2分48秒後にフィニッシュラインへ。2度のパンクに見舞われる不運もあったが、最後は笑顔でアルカンシエルに、そして世界選手権のステージに別れを告げた。
「どんなことがあっても笑って終わろうと決めていました。最終周回を前にパンクしたときも“これを楽しまなきゃ!”と思ったんです。今日のことは生涯忘れないでしょうね。集団内ではみんなが私をリスペクトしてくれました。そのことにも感謝したいと思います」(アネミエク・ファンフルーテン)
日本から出場した與那嶺恵理は42位で、UCIポイント圏内(60位までに付与される)でレースを完了。アンダー23対象だった小林あか里はリタイアしている。
スーパー世界選手権は今後、4年に一度のスパンで開催される。オリンピック・パラリンピックの前年に開催することで、それらの予行演習として意味合いも高まっていきそうだ。自転車競技最高峰の祭典は次回、2027年にフランスで行われる。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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