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【Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース:レビュー】各コーナーが全力スプリント、メカトラは即終了のサバイバルレースを鬼神のごとく突き進んだファンデルプールがロード初戴冠
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか表彰台、優勝ファンデルプー、2位ファンアールト、3位ポガチャル
ファンデルプールの歓喜から1分37秒後、フラムルージュで他の2人を振り払ったファンアールトが、2位に滑り込んだ。2020年世界選手権ロード&個人タイムトライアル、2021年東京五輪ロード、2021年世界選手権個人タイムトライアルに続いて、またしても銀メダルに終わった。シクロクロスでは世界王者の喜びを3度味わったが、銀メダルも4度。しかも同年の金は、すべてファンデルプールの手に渡っている。
「満足はできない。勝つために来たんだから。でもそれほどがっかりはしていないんだ。いいレースができたという実感があるから。いずれにせよ今日は、マチューが最強だった」(ファンアールト)
さらに遅れること8秒。3位争いのスプリントは、常時であれば元世界王者ピーダスンが絶対的有利のところ、ほんの2週間前までツールのマイヨ・ジョーヌ争いを繰り広げていたポガチャルが制した。真っ青な顔で表彰式に出席した後、しばらく「トイレに駆け込んだ」ほどに、極限状態で勝ち取った小さな勝利だった。
「まるでゾンビたちによるスプリント。だから僕にもロングスプリントで勝機が見いだせた。先頭に残ったみんながメダルにふさわしいし、マッズにとっては残念だった。でもメダルは3つしかないから……」(ポガチャル)
ファンデルプールの世界選手権が続行中であるように、ファンアールトもポガチャルも、例年とは異なる変則的なスケジュールに従ってロード5日後に個人タイムトライアルを戦う。舞台はグラスゴー北東のスターリング。アルカンシェル争奪戦は、再びクライマックスを迎える。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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