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サイクル ロードレース コラム 2023年8月8日

【Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース:レビュー】各コーナーが全力スプリント、メカトラは即終了のサバイバルレースを鬼神のごとく突き進んだファンデルプールがロード初戴冠

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース

ベッティオールが単独で抜け出すことに成功

残り55kmでベッティオールが独り飛び出していった後、グラスゴーの町を、激しい通り雨が襲った。それが集団の前から6番目を走っていたジョナタン・ナルバエスの、下りコーナーでの落車を誘発する。残り3周回に入る直前、追いかける集団が割れた。分断を逃れたのは、ティッシュ・ベノート+例の4人だけ。ベッティオールはすでに40秒先を走っていた。もはや後ろを待つ選択肢はない。べノートはペースを緩めず先頭を引き続けた。背後ではニールソン・パウレスが奮闘するも、ほんの小さな穴が埋まらなかった。優勝争いは元ツール・デ・フランドル覇者と、今年のフランドル上位4人に絞り込まれた。

続く20kmは静かに、しかし恐ろしい緊迫感の中でレースは繰り広げられた。4人はじわじわとベッティオールを追い詰めていき、ついに目と鼻の先にとらえた。その時だった。短い上りを利用して、突如としてファンデルプールが鋭い加速に転じた。予想外の場所の場所だったのかもしれない。他の3人はワンテンポ遅れて反応するも、すぐにサドルに腰を下ろした。

「自分にアタックの脚が残っていることは分かっていた。だけど1発目で決まったのは驚いた。後ろを振り返ったら、誰もついてこなかった。自信をさらに強めた」(ファンデルプール)

残り22kmで独走に持ち込んだ後も、ファンデルプールは畳み掛けるように各コーナーを攻め、坂道を全速力で駆け上がった。反対に勢いを失ったファンアールト、ポガチャル、ピーダスンの3人組を、着実に引き離していく。

「それに彼らが追いついてくるのは難しいだろうと分かっていた。差が大きくなっていったら、ある程度の時点で、互いの様子見に入るはずだったから」(ファンデルプール)

無線のない世界選手権だからこそ、的確な読みだった。濡れた右カーブでファンデルプールが地面に滑り落ちた時、残り16.6kmで、3人とのタイム差は33秒。「落車したと知っていたら、互いの顔を見合わせる代わりに、スピードを上げていたかもしれないのに」とワウトは少し後悔したが、一瞬24秒に縮んだタイム差は、すぐに再び広がっていった。

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