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【Cycle*2023 クラシカ・サンセバスティアン:プレビュー】ツール開幕の熱狂から約1カ月で迎えるバスクの山岳大戦 世界選手権やブエルタ前の脚慣らしに大物そろう
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介クラシカ・サンセバスティアン 昨年はレムコ・エヴェネプールが独走勝利
“若き独走王”レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)がフィニッシュまでの約45kmをひとりで駆け抜けて1年。約1カ月前にはツール・ド・フランスの開幕地として世界からの注目を集めたバスクで、再びトップライダーが競演する。例年、ツール閉幕直後の土曜日に開催されているのが、クラシカ・サンセバスティアンである。
前回のレムコはここでの驚異の独走から、のちのブエルタ・ア・エスパーニャとロード世界選手権での優勝につなげた。約1カ月レースから離れ、シーズン後半への再調整がうまくいったことがサン・セバスティアン独走勝利の要因だったという。
今年はこのレースのおおよそ1週間後にロード世界選手権が控えているので、マイヨ・アルカンシエルを賭けた戦いを見据えた選手たちが多数乗り込む。いつものように、ツールからの流れで臨む選手や、ブエルタを視野に入れる選手たちだけではなく、参戦の目的は選手によってさまざまである。
“仮想世界選”とするにはサン・セバスティアンの上りはタフなものばかりだけど、脚を試すには十分。今年のコースは全長230.3km、序盤からカテゴリー山岳が控えていて、獲得標高は4000mを超える。
レース後半に注目すべき上りがまとまっていて、ツールでも走った(逆側から上った)2級山岳ハイスキベル(登坂距離7.9km、平均勾配5.6%)、前回レムコが仕掛けた1級山岳エライツ(3.8km、10.6%)を立て続けに上る。サン・セバスティアンを一度通過して、前回は採用されなかったメンディソロツ(4.1km、7.3%)、そしてフィニッシュ前約8kmで頂上に達する最大勾配20%の2級山岳ムルギル・トントラ(2.1km、10.1%)とクリアして、サン・セバスティアンへと戻ってくる。この4つの上りが勝負のうえではポイントになることは必至。戦力を整えているチームがペースを上げて、集団の人数を絞り込んでいくことだろう。
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