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【ツール・ド・フランス2023 レースレポート:第17ステージ】ポガチャルが衝撃の大ブレーキ!ヴィンゲゴーとの総合タイム差は7分35秒に。ステージは元ジュニア世界王者のガルが制す
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介2級の上りを経て、いよいよロズへ。この頃には先頭グループは16人に減り、山岳ポイント収集に努めたチッコーネや、前半果敢に攻めたアラフィリップらは後方へ。タイム差も大きな変動はなく、前を行くメンバーの中からステージ優勝者が出る可能性が高まってきた。
同様にメイン集団も人数が絞られて、残っているのは個人総合上位陣を中心とする精鋭たち。「さあ、ここから!」というところで、衝撃的なシーンを見ることになる。フィニッシュまで16km、ロズの上り途中でポガチャルが遅れ始めたのだ。
「何が起こったのか分からなかった。できうる限りの補給に努めたけど、どうしても身体が受け付けなかったんだ。脚にも力が入らなくなってしまってね……」(ポガチャル)
ズルズルと後退するマイヨ・ブランに対し、マイヨ・ジョーヌは山岳アシストのセップ・クスの牽きに任せ、先頭グループから降りてきたベノートにバトンタッチ。粛々とプランこなしていくユンボ・ヴィスマに対し、UAEチームエミレーツはアダム・イェーツにパリでの総合表彰台を見据えて動くよう無線で指示。スーパーエースを待たずにみずからの成績を追い求めることを許可した。
その頃、先頭では逃げメンバーの構図が崩れて、ガルが独走を始めた。30秒後ろでは、サイモンとラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ)が追うが、ガルの勢いは衰えない。頂上通過後の下りも問題なくこなして、クールシュヴェルのエアポートまでやってきた。追うサイモンもマイカを切り離してガルを目指したけど、その差は縮まらなかった。
フェリックス・ガルがグランツール区間初優勝
最後の急坂を蛇行しつつも何とか上り切ったガルは、一番にクイーンステージのフィニッシュへ。右腕を掲げて勝利を誇示した。
ジュニア時代の2015年に世界の頂点に立ち、2020年にチーム サンウェブ(現チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ)でプロデビュー。昨年から現チームで走る。サンウェブ時代はその能力を好んだロマン・バルデがトレーニングに連れていくなど育成を図ったが、「グランツールを走りたい」その一心で、機会を提示した現チームへ移ることを決めた。
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