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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第16ステージ】ゲラント・トーマスとの一騎打ち制したジョアン・アルメイダがグランツール初優勝「この勝利がさらなる自信につながる」
サイクルロードレースレポート by 山口 和幸「何度も2位、3位に入賞したボクにとって、グランツールでのステージでの初優勝は大きな意味がある」とアルメイダ。
「最後は約9〜10%のかなり急な登りで、できる限りの走りに徹した。トーマスがロケットのようにやってきたことに少し驚いた。最後まで苦しかったので、総合成績のことを考えずに全力を尽くしてトーマスとの一騎打ちに挑んだ」
「ステージ優勝できたことはボクのキャリアにおける重要な前進だ。この勝利がさらなる自信につながる。今回のジロ・デ・イタリアに勝てるチャンスはあると思うけど、ログリッチとトーマスがいるので決して簡単ではない」
マリア・ローザを奪還したトーマス
首位に返り咲いたトーマスは、「ログリッチは100%ではないような気がした」と、先行したアルメイダに追従する判断をした。
「アルメイダとフィニッシュに向かって一緒に働いたのがよかった」
一方、重要なアシスト役であるパベル・シバコフがこの日リタイアして、「彼を失うことは明らかに理想的ではない。チームにとって大きな戦力だった」とトーマスは残念がる。
「願わくば、明日の平坦ステージはスプリントの日となってほしい。最終日までにまだ山岳ステージが2日間も残っているからね」
山岳賞はEFエデュケーション・イージーポストのベン・ヒーリー(アイルランド)が76.8km地点の1級山岳をトップ通過するなどで、山岳ポイントを獲得。総得点は164点となり、エオーロ・コメタのダヴィデ・バイス(イタリア)の144点を逆転して、アイルランド選手として初めての山岳賞ジャージを獲得した。
バーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也は42分44秒遅れの102位でゴール。総合成績は3時間50分44秒遅れの125位。チーム賞で1位を堅持するとともに、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)がマリア・ローザもうかがえる位置の2分50秒遅れの総合4位につける。
また、第2ステージで区間勝利したジョナサン・ミラン(イタリア)は、その日手中にしたポイント賞ジャージを一度も手放すことなくキープしている。
文:山口和幸
山口 和幸
ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。
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