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【Cycle*2023 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ:レビュー】“呪い”知らずのワンダーボーイ、レムコ・エヴェネプールが驚異の独走で2連覇 ポガチャルは落車で左手首を手術
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介J SPORTS サイクルロードレース【公式】
【ハイライト】リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ|Cycle*2023
逃げの11人、最大タイム差は4分15秒
その通り、ポガチャルとホノレはバイクに再乗車できず、リタイアが決定。この瞬間、ポガチャルのアルデンヌ3連勝の可能性が完全に消滅した。
それでもレースは続く。メイン集団のコントロールをになったのはスーダル・クイックステップ。ポガチャルの落車に関係なく、はじめから集団を統率するプランだったというベルギーの雄は、若きスーパーエースにすべてを託すことで意思統一が図られていた。
後半に入ると、逃げグループとメイン集団ともに登坂区間をクリアするたびに人数が絞り込まれていく。4つ目の上りコート・ド・ワンヌ(登坂距離3.6km、平均勾配5.1%)でのヤン・トラトニク(ユンボ・ヴィスマ)のアタックをきっかけに、レースペースは上昇。集団から数十秒の差で先行したトラトニクは、20kmほど進んだところで逃げメンバーに合流。そのまま先頭固定で牽引を続けると、ここまで逃げてきた選手たちはたちまち付いていけなくなってしまった。
ただ、メイン集団に慌てるムードはまったくない。スーダル・クイックステップはフィニッシュまで60km以上を残していながら、前・世界王者のジュリアン・アラフィリップを牽引役に動員。怪我からの復帰戦となった今回はアシストに徹して、コル・ドゥ・ロジエ(4.4km、5.9%)での絞り込みに一役買った。
徐々に強まる雨とともに、レース全体が激しさを増していく。逃げはトラトニクとシモーネ・ヴェラスコ(アスタナ・カザクスタン チーム)の2人になり、メイン集団はスーダル・クイックステップだけでなくイネオス・グレナディアーズやバーレーン・ヴィクトリアスなど、強力エースを擁するチームが続々と前線に顔を見せ始める。
そうして迎えた重要区間コート・ド・ラ・ルドゥート(1.6km、9.4%)で、局面は大きく動いた。
まず逃げていた2人をキャッチすると、その勢いのままイラン・ファンウィルデル(スーダル・クイックステップ)が集団を崩しにかかる。レムコが絶大な信頼を寄せるヤングクライマーの牽引によって、最前線に残ったのは10人程度。そして頂上手前、残り33.5kmでついにレムコが動いた。
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