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【Cycle*2023 ジロ・デ・シチリア:プレビュー】島のヒーロー・カルーゾがディフェンディングチャンピオンとして参戦! 総合、スプリントともにワールドチーム中心の戦いか
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介起伏に富むシチリア島の道
寄せ集めのアッズーリ軍団が毎ステージのようにレースを席巻したのが昨年のこと。地中海の中央に浮かぶシチリア島を舞台にする4日間のステージレースは、トップライダーにとっては1カ月先に控えるジロ・デ・イタリアの脚試しとして、若手選手にとってはトップチームへのアピールの機会として、それぞれに重要な位置づけのレースになっている。
2022年総合優勝ダミアーノ・カルーゾ
トップチーム関係者の目に留まるには、どれだけタフであるかを証明しなければいけない。起伏に富むシチリア島の道である。ただアップダウンをこなせるかだけでなく、その先にあるフィニッシュへ向けて勝負できるかも重要なファクターである。実際、昨年の大会でイタリアナショナルチームのメンバーとして走ったうちの5選手は、いずれも事実上の無所属状態(2022年3月まで所属していたガズプロム・ルスヴェロの解散による)から次の受け入れ先を見つけることに成功している。
前回、進路に悩んでいた若い選手たちを鼓舞し、みずからの力でもってチームに歓喜をもたらしたダミアーノ・カルーゾは、所属するバーレーン・ヴィクトリアスのエースとして大会へ戻ってくる。前回は2ステージで勝利し、最終日に個人総合で逆転。10歳近く年下である選手たちの働きに報いた。
今大会における彼の目的は、昨年とは大きく変わるようだ。今季はジロ・デ・イタリアを目標に据えており、その準備の一環として故郷のシチリア島へと帰る。後述するが、パンチ力が試される上りフィニッシュや、得意とするダウンヒルを生かせるステージが控えており、おあつらえ向きのコースがそろっている。その気になれば個人総合2連覇は可能だ。
カルーゾに限らず、個人総合争いはUCIワールドチーム勢が中心となりそうだ。アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム)は、今大会直後のアルデンヌクラシックの最終調整としてシチリアを選択。昨年のツール・ド・フランス個人総合7位のルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)は、前回大会で総合表彰台に上がり、ツールでの好リザルトにつなげた。
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