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【Cycle*2023 ストラーデ・ビアンケ:プレビュー】優勝経験者が5人参戦! ロードレース界に本格的な春到来を告げる“白い道” シエナ・カンポ広場に一番にやってくるのは誰か!
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介ストラーデ・ビアンケ
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)の衝撃的な独走劇から1年。イタリア・トスカーナの“白い道”では、また新たな伝説が生まれることだろう。
レース名の「ストラーデ・ビアンケ」は、イタリア語で“白い道”を意味する。トスカーナ州の各地にいまなお未舗装で白砂の道が残され、サイクリストたちは聖地として心を預ける。大会そのものは2007年初開催と、ビッグレースにしては新しい部類に入るが、それでも選手を、ファンを惹きつけるのはそうした理由が存在するからである。
シエナのメディチ要塞前をスタートし、再びシエナへと戻るルートは、レース距離184km。丘陵地帯を行き、左右にはブドウ畑を見ながらプロトンは進んでいく。この間、“白い道”いわゆる未舗装区間は全11セクション・総距離63km。つまりは、全行程のおおよそ3分の1がグラベルというわけ。距離こそ短いながらも急坂も多く、獲得標高は3200mを数える。
当然、スタートから気は抜けない。17.4km地点で早くも1つ目の未舗装セクションが登場し、55km地点まで4セクションが立て続けに現れる。気が付くと、メイン集団が崩壊しているかもしれない。
それからは、舗装路とはいえモンタルチーノの登坂距離4km・平均勾配5%の上りがあり、越えたと思ったら未舗装区間の連続。レース中盤からのグラベルは、距離にして10km前後と長く、白砂を巻き上げて突き進む勇者=選手の走りに感動を覚えることだろう。
フィニッシュまで55kmを切って訪れるセクション8からは、次々と仕掛ける選手たちの姿が見られるのではないか。このセクターは11.5kmで、途中モンテ・サンテ・マリエの上りが勾配10.3%。昨年、この区間でポガチャルが驚愕の瞬間を作り出しているし、その前年にはジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)が展開を大きく変えるアタックを繰り出している。
連続するアップダウンと、なかば不意打ちのように現れるグラベルセクションに、選手たちはどこまで集中力を保てるだろうか。残り25kmからの未舗装路は、セクション9が最大勾配10%、セクション10が15%、セクション11が18%と難攻不落。昨年のポガチャルはひとりで攻略してしまったけれど、その前の年はマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が11番目のグラベルで決定打を放った。
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