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サイクル ロードレース コラム 2022年9月26日

【Cycle*2022 UCI世界選手権大会 女子エリート ロードレース:レビュー】右肘骨折のファンフルーテンが《地獄》のような1日を乗り越えて前人未到の大偉業達成「おそらく人生最高の勝利です」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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しかも前周回と完全に同じメンバー……つまりリッパート、ロンゴボルギーニ、ニエウィアドマ、ルドヴィグ、モールマンが、坂道であっさり最前列へと躍り出た。間違いなく、この5人こそが、今大会で最も爆発的な上りの脚を持っていた。1周前は協調性に欠けた5人だが、今度ばかりは誰もが先頭を引っ張った。フィニッシュまで残り8km、先頭で山頂を乗り越えると、全速力で下りへと突入した。

その背後では、ファンフルーテンがフォスのためにテンポを刻んだ。しかし、上りの途中でいつしか、後輪からオランダのスプリントエースの姿は消えていた。5人から遅れること約20秒後。山頂に到着した後の世界女王は、ほんの一瞬、ちらりと背後を確認した。そして、そのまま、他の7選手と行動を共にすることに決めた。

追走集団内では、またしてもコペッキーが必死の加速を試みた。ローセルとエリーズ・シャベイの2選手を残すスイスも、勢力的に前を引いたし、スプリント勝負に持ち込みたいアルレニス・シエラ(キューバ)やU23女子チャンピオンの座をかけるニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド)もいつしか牽引作業に加わった、一方のファンフルーテンは最後尾に張り付いているだけで良かった。後方からフォス集団が追いついてくる可能性があることを知っていたからだ。一切引かなかったのは、先行する5人にチームメイトのいるシルヴィア・ペルシコ(イタリア)も同じだった。

「マリアンヌを待っていました。あのグループ内で自分のために走っていなかった選手は、ほぼ私だけでした。でも、そのうち、彼女が追いついては来ないことを悟ったんです」(ファンフルーテン)

残り1.5kmを切り、登り基調の道でシャベイが最後の力を振り絞ると、ついに追走8人は前の5人をとらえた。予感の通り、フォス集団は合流を果たせず仕舞いだったし、相変わらず最後尾につけていたファンフルーテンは、この時、ほんのわずかながら距離を開けられた。万事休す……と、その瞬間だ。下りに転じた道で、最後尾からフルスピードに転じると、残り800m前後でファンフルーテンが鮮やかにライバルたちを抜き去った!

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