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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第19ステージ】トレック・セガフレードが引き寄せたスプリントの機会。ピーダスンの3勝目
サイクルロードレースレポート by 滝沢 佳奈子ただ後ろからはピーダスン最後のアシスト、アントニオ・ティベーリが冷静に追った。後ろを走るピーダスンに焦りはなかった。
「マイルス・スコットソンがアタックしてきたとき、僕の前にはまだアントニオがいた。彼は痩せているように見えるが、パワフルな男だ。彼がいれば、スプリントでマイルスをパスできる距離だと確信していたんだ」(ピーダスン)
ちょうどティベーリがスコットソンの後輪を捕らえるあたりでピーダスンがスプリントを開始。後ろからはフレッド・ライトが並びにかかるが、ピーダスンがライトを並ばせることはなかった。ピーダスンは今大会3回目の勝利に両拳を突き上げた。
「3勝は僕らが目指していたものよりもはるかに多い。もちろんとても素晴らしいことだ。明日は無事に1日を終えて、マドリードでどうなるかを見るだけだ。でも、何があったとしてもこのスペインでの3週間はハッピーでいられると思うよ」(ピーダスン)
ウルフパックの今シーズン41回目の勝利となった翌日、エヴェネプールは総合勢からの徹底攻撃に怯えることなく笑顔でフィニッシュラインを切った。
ポディウムで手を振るエヴェネプール
「完璧なレースだった。トレックが一日中コントロールしてくれたのは良かった。マッズ(・ピーダスン)と一緒に逃げをコントロールすることを約束したので、その仕事は果たせたんじゃないかな。その後、逃げ集団をコントロールし、ステージを狙うのは彼ら次第だった。マッズは本当に素晴らしいものを見せてくれるよね。かなりきつい登り坂だったので、トレックには本当におめでとうと言いたい。(最後の数kmは)クラッシュやパンク、バイクのトラブルに備えながらラスト3kmに入るようにしたよ。今日のステージで最も恐れていたのは、転倒やアンラッキーな出来事。だから他のライダーと一緒に前に出ようとしたんだ。そして最後の1.3kmは直線だったので、少しペースを落として後輪についていくだけだった。明日は(総合争いの)最終日なので、安全第一で」(レムコ・エヴェネプール)
翌日は総合順位を決定付ける山岳最終決戦。今回のステージでは攻撃に転じず、安全策を取った総合勢だったが、それぞれの回復ぶりやいかに。そしてエヴェネプールは3週間で最も厳しくなるであろう1日にどう手を打つだろうか。
マドリードまであと2日。
文:滝沢佳奈子
滝沢 佳奈子
2014年に自転車にハマり、初めてのレース観戦は単身ロードバイクを持って行ったツール・ド・フランス。その経験から自転車雑誌サイクルスポーツの編集者となる。現在は国内を中心にロードレースやトラック競技などの取材を行う。
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