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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第14ステージ】カラパスが今大会2勝目の歓喜!レムコとのタイム差を縮めた王者ログリッチ「このチームの一員であることを嬉しく思う」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマイヨ・ロホのレムコ・エヴェネプールをを苦境に追い込んだログリッチ
「うん、チームメートたちは、素晴らしい仕事をしてくれた。本当に力強く牽引してくれたし、僕はこのチームの一員であることを嬉しく思う」(ログリッチ)
エヴェネプールもいまだ補佐役を1人残していた。22歳の若きエースを支える、同い年のイラン・ファンウィルデルだ。ジュニア時代のレムコ無双の立役者であり、今年から再びチームメートとなったクライマーは、残り4km前後で最前列に出ると、なんとか自陣に主導権を取り戻そうと試みた。
しかし、その直後だった。逃げのカラパスが単独で抜け出すよりも早く、ログリッチが前へと飛び出した。
「僕にとってはベストデーではなかった。それは間違いない。少し苦しんだし、脚は好調ではなかった。ログリッチが前へ行った時、僕は加速することができなかった」(エヴェネプール)
標高はすでに1500mを超えていた。これまで4度の難関山頂フィニッシュでは、ただただ圧倒的な強さを見せつけたエヴェネプールが、今大会初めて直接的ライバルの先行を許した。ディフェンディングチャンピオンとの距離は、じりじりと開いていく。しかも、マイヨ・ロホの追走スピードが一向に上がらないことを悟ると、背後にじっと張り付いていたライバルたち……総合3位エンリク・マス、4位カルロス・ロドリゲス、5位フアン・アユソ、7位ミゲルアンヘル・ロペス、8位ジョアン・アルメイダも、次々と前方へと飛び立っていった。
「上りのラスト3kmは本当に勾配がきつかったし、強風のせいで、誰かの後輪につくことも不可能だった。それでも僕は冷静であり続けた。とにかく闘い続けた」(エヴェネプール)
残り3kmで、ログリッチに対するエヴェネプールの遅れは、すでに約30秒に開いていた。逃げるカラパスとログリッチとの差もまた、もはや約30秒しか残っていなかった。2019年ジロと2020年ブエルタで揃って総合表彰台に上りーージロはカラパスが、ブエルタはログラが制したーー、昨夏は東京でそれぞれ金色の栄光に輝いたーーロードはカラパスが、個人TTはログラがーー、そんな2人の王者による、プライドと栄光をかけた熾烈なチェイス。
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