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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第12ステージ】東京五輪金メダリストのリチャル・カラパスが歓喜のブエルタ区間初勝利「僕には勝てるはずだと分かっていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「なにが起こったのかわからない。1日中良いワット数が出せていたのに、最後にそれが出せなかった。もしもコンピュータゲームだったら、ラスト5kmまではすべてがパーフェクトに進んだ。だけど、これは、コンピュータゲームではなかったんだ」(ヴァイン)
Eスポーツ世界チャンピオンにして、大会1週目に山頂フィニッシュを軽々と2度制したオージーは、最終的に区間7位に沈んだ。つまりトップ5に与えられる山頂ポイントさえ、手に入らなかった。山岳ジャージ自体はヴァインがいまだしっかり着込んでいるが、要危険人物ソレルに区間3位の4ポイントを収集されてしまった。ちなみにソレルは山岳賞3位に浮上しただけでなく、ポイント賞さえ2位に前進。当然ソレル&ポランツの逃げ切りで、UAEはチーム総合首位にも再浮上している。
ケルデルマン、ジェベール、ポランツ、やはり2人で逃げたDSMのマルコ・ブレンナーという4チームの4人を敵に回して、残り2km、しかし勝利へのアタックを決めたのはカラパスだった。32人の逃げ集団に、イネオス・グラナディアーズからたった1人で潜り込んだチャンピオンは、ただ一撃を正確にぶっぱなした。必死に後輪に張り付くも、ジェベールはすぐに力尽き、あっさり蹴落とされたケルデルマンには、自らのテンポで追いかける以外の選択肢はなかった。
ダンシングで山を登るカラパス
「最後の瞬間を待ち続けた。残り2kmの段階で、ラスト1.8kmは、厳しい勾配が延々続くことを分かっていた。僕に残されたのは一手だけで、それを最大限に活かした」(カラパス)
鬼神のような表情で、何度も後ろを振り返った。トレードマークのがむしゃらなダンシングスタイルで、山道を突き進んだ。勝利を確信すると、力いっぱい拳を振り下ろした。3大ツールすべてで総合表彰台に乗り、ブエルタでもすでに5日間マイヨ・ロホ着用経験のあるカラパスにとって……意外にも、初めてのブエルタ区間勝利だった。
「本当に嬉しい。なにより、開幕時からずっと待ち望んできた好感触を取り戻せたことが、嬉しくてたまらない。今大会にはベストの体調で乗り込めなかったし、少々難しい時を過ごしてきた。だからステージ勝利に目標を切り替えた。僕には勝てるはずだと分かっていた」(カラパス)
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