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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第2ステージ】軽量級クライマーのイェーツが衝撃的な走りで個人TT制覇「あらゆる準備が報われた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「今シーズンは機材パートナーの協力のおかげで、マテリアルやTTポジションの向上に励んできた。なによりマルコ・ピノッティに感謝している。彼のためにもすごく嬉しいんだ」(イェーツ)
衝撃的な走りで個人TTを制覇したサイモン・イェーツ
そう、かつて自らもジロの個人TTステージを勝ち取ったことのあるピノッティが、日々のTTトレーニングのメニュー作りから、今回の機材選択まで、イェーツにきめ細やかな指導を行ったという。BMCコーチ時代にはローハン・デニスやリッチー・ポートを教え導き、現在はバイクエクスチェンジ・ジェイコの「パフォーマンスディレクター」。昨年ガンナを破りイタリアTTチャンピオンに上り詰めたマッテオ・ソブレロをも、しっかり区間4位に送り込んだ。
もちろんイェーツ本人に、ルーラーとしての資質が備わっていなかったわけではない。若かりし日にはトラック競技で自転車の基礎を叩き込まれ、ジュニア時代には世界選手権でマディソン金・団体追抜銀と実績も残している。2018年ジロ初日にはど平坦TTで7位に食い込んだ経験さえあるし、2019年パリ〜ニース5日目には、プロ人生初のTT勝利をもぎ取っていた。
とうとう最後までイェーツを追い越す選手は表れなかった。176人の全出走選手の、最後にコースへ飛び出していったファンデルプールは、上りの麓の中間計測でイェーツまで0.65差に迫った。マリア・ローザを守るどころか、区間勝利の可能性さえ浮上した。得意の石畳の急坂に突入してからは、ダンシングスタイルで果敢に攻めた。しかし走り終えた先では、差は2秒99に広がっていた。
「かなり僕向きのTTコースだった。できる限りの力を尽くした。でも最後の上りに向けて、体力を温存しておかなきゃならないことも分かっていたから……。区間勝利まであとわずかだったからこそムカムカするけど、確かに、満足しなきゃいけないんだよね」(ファンデルプール)
2勝目が取れなかったことに失望を隠せなかったファンデルプールだが、マリア・ローザが守れたことに対しては、素直に喜びを表した。前日のフィニッシュで第2集団に4秒差をつけ、さらにはステージ勝利で10秒のボーナスタイムを手にしていたおかげで、イェーツとの総合タイム差はいまだ11秒の余裕がある。
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