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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第1ステージ】渾身の力でライバルたちをねじ伏せたマチュー・ファンデルプールが快挙「今回のジャージは僕個人にとっての『目標』だった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそしてラスト250mから始まる緩やかなコーナーの大外から、ギルマイがスプリントを仕掛けた。
最終盤でライバルを蹴落として勝利したマチュー
「理想的なスプリントができたわけではなかった。前を塞がれたせいで、好位置を取り戻すために迂回しなきゃならなかったから。でも『できる限り長くこらえるんだ』って自分に言い聞かせた。最後は完璧なタイミングで、自分の加速が切れた」(ファンデルプール)
一瞬で大きく距離を開けられるも、ファンデルプールは前を行くビルバオとコルトの左側をすり抜け、素早くギルマイに並んだ。そのコルトの背後で時を待っていたユアンも、弾かれたように、右側から追い上げギルマイの後輪に滑り込む。しかしユアンは直後に地面に激しく転がり落ち、一方のファンデルプールは、さらにもう一段階スピードを上げた。身体の奥底から力を絞り、最後まで全力で踏み抜いた。ガッツポーズさえ出せなかった。
初めてのツール・ド・フランスでは、2日目に区間と総合リーダージャージを射止めたファンデルプールは、初めてのジロ・デ・イタリアでは、1日目に同じ快挙を成し遂げた。またツールのマイヨ・ジョーヌが、祖父レイモン・プリドールが着たくても着られなかった思い入れの深いジャージだったのだとしたら(ちなみに父アドリは1日着用)、祖父が出場したことのないジロで、マリア・ローザを羽織るのは(やはり父は1回出場)……別の意味で特別だった。
「イエロージャージはより『感動的』だった。祖父の代から続く、我が家の歴史だったからね。今回のジャージは、むしろ僕個人にとっての『目標』だった」(ファンデルプール)
その2021年ツールでは、6日間マイヨ・ジョーヌを守ったが、今回は1日限りかもしれないと考える。他選手に大きくタイム差をつけたわけではないし、翌日には個人タイムトライアルが待っている。
「もちろんジャージを守りたいし、トライしていく。昨ツールではTT後にもマイヨ・ジョーヌを守った。だから明日は、もう1度、自分自身でも驚く走りを見せられるといいのだけれど」(ファンデルプール)
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