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サイクル ロードレース コラム 2022年4月11日

【Cycle*2022 ジロ・デ・シチリア:プレビュー】エトナの道を知り尽くした男ヴィンチェンツォ・ニバリが連覇を目指してシチリア島に乗り込む

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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山のてっぺんから海抜スレスレまで、20km超のダウンヒルで下り切ったら、改めてコントラーダ・ジウラーナ峠へとアタック。異なる方角から攻め入る2度目は、距離面でも、勾配面でも、難度を増す(11.3km、6%、11%)。

ただし、すべては、前触れに過ぎない。上り詰めた先から、いよいよプロトンは、2月に2度の噴火を起こしたエトナ内部へと切り込んで行く。

全長17.4kmの長い山道は、3つのパートに分けられる。第1幕は約12kmに渡って続く、平均6.7%の上り。続く第2幕は、約2.5kmの下り。そして最終幕こそが、全長3km、平均9.1%、最大13%というとてつもない激勾配!鬱蒼とした森を抜け、ごつごつした溶岩の荒原を突き進み、スキーリゾートとしても知られる標高1793m地点のピアノ・プロヴェンザーナですべてが決する。

ちなみに今回は東側からエトナを攻める。2019年ジロ・デ・シチリアもやはりエトナ山頂フィニッシュが争われたが、3年前は南西からの登坂で、到着地点も火口の反対側だった。また2011年以降、ジロ・デ・イタリアのプロトンは全部で4度この山を上ってきたし、今年2022年大会も第4ステージでエトナと対峙するが、同じフィニッシュ地点が用いられたのは2020年大会のみ。その時でさえ、ラスト3km以外は、別の道を使用した。つまりは多くの参加選手にとって、今回のルートは、未知なる道なのだ。

その中で唯一、エトナの道を知り尽くした男とは、やはりヴィンチェンツォ・ニバリだろう。9月末の開催だった昨大会、22kmもの独走を成功させ総合制覇をもぎ取ったシチリアっ子は、この神聖なる山を見上げながら大きくなった。ジロでは3度エトナ登坂を行い、いずれもトップ10入りを果たしてきた。過去3大ツールを制した偉大なるチャンピオンは、今大会は当然、勝つために帰ってくる。

ニバリ属するアスタナ・カザクスタンと並んで、UCIワールドチームからはアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオとトレック・セガフレードもシチリアへ飛ぶ。中でもイタリア南端出身ドメニコ・ポッツォヴィーヴォにとっては、得意の地形で、5年ぶりの勝利を手にするチャンス。

またジロ行きを控えるUCIプロチーム、エオロ・コメタやバルディアーニCSFファイザネ、ドローンホッパー・アンドローニジョカットリもスタートラインに集結。ついこの間までワールドツアーで活躍していたチャド・ヘイガやベンジャミン・キングも、ヒューマン・パワード・ヘルスの一員としてやってくる。

さらにはEFエデュケーション・イージーポストの「デヴェロップメントチーム」である、EFエデュケーション・NIPPOも参戦。日本選手5人と日本人スタッフを多数有する若手中心の集団が、強豪チームに混ざって、ハイレベルな戦いに挑む。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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