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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第1ステージ】24歳フィリッポ・ガンナが2年連続大会初日にマリア・ローザ「去年以上に、今の僕が心から欲していたジャージ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか184人中174番目に出走した世界チャンピオンの区間勝利を、実は危ぶむ声も多かった。なにしろ今年2月UAEツアー以来、実に3ヶ月も個人TT勝利から遠ざかっていた。ティレーノ〜アドリアティコでは3位、ツール・ド・ロマンディでは初日9位・最終日10位。開幕2日前の記者会見では「ロマンディは単なる通過点!」と笑い飛ばしていたが、優勝直後に放ったコメントを聞く限り、ガンナは決して泰然と構えていたわけではなかったようだ。
ポディウム
「ついにやったね。ずいぶんと長い間、フィニッシュのホットシートで勝利を待つ機会がなかった。でも僕は今こうしてここにいる。本当に嬉しい」(ガンナ)
東京五輪でトラックと個人タイムトライアルの2つで金メダルを獲るため、自転車競技場で鍛錬を積みつつ、一方ではイネオス・グレナディアーズの仲間を補佐するため、テネリフェで高地合宿。複数の使命と野心に向かって少々「難解な」春を過ごしてきたガンナの努力は、こうして報われた。ジロ初日TTの連覇は、1984・1985年にプロローグを勝ち取ったフランチェスコ・モゼール以来36年ぶり。そのモゼールは1年目に総合優勝、2年目総合2位と自らが高みに上ったが、1年目に同僚テイオ・ゲイガンハートの総合優勝に尽くしたガンナの2年目は、果たしてどんな成果が待ち受けているだろうか。
「最初の山岳フィニッシュまでにジャージを失うだろうことは分かってる。でも僕はベルナルと(パヴェル)シヴァコフを助けるためにここにきた。この先は大いに苦しむだろう。でもモチベーションは高い」(ガンナ)
2年連続4度目のジロ・デ・イタリア参戦の新城幸也は、首位から53秒遅れで初日を無事終了。走行中に落車しながらも55秒遅れで完走したクリスツ・ニーランズは、フィニッシュ後の検査で右鎖骨骨折が判明。第2ステージ不出走がチームから発表された。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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