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サイクル ロードレース コラム 2012年8月21日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012 第3ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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そしていずれのアタックも、ついていけたのは前述の3人だけ。しかもロドリゲスとバルベルデが瞬時に張り付き、フルームがじわじわマイペースで追いくという、ほぼ同じパターンが繰り返された。

「感触は良かった。脚がしっかり動いたことが、一番大切なこと。それにボクが元気の良いところを証明することができた。この『テスト』には満足している。たしかにステージ勝利は取れなかったし、タイム差もほとんどつけられなかったけれどね」(アルベルト・コンタドール)

そうなのだ。執拗に加速を繰り返したのにも関わらず、コンタドールは3人を振りほどくことができなかった。またその他の有力選手たちに関しても、ゴールではわずか6秒しか突き放すことができなかった。「最終峠の前に難しい峠があったわけじゃないから、ほかの選手たちもまだまだ元気だったんじゃないのかな」と本人は分析する。しかし、ステージ勝利どころか、結局はボーナスタイムさえも手に入れることができなかったのだ。

「ステージのプロファイルはよく分かっていたんだ。特に最終盤は!」と語るロドリゲスが、ライバルたちを出し抜いて、ラスト500mのカーブへと先頭で切り込んだ。「最後にカーブがあることはよく分かっていたけれど、かれこれ3年この山でレースをしていなかったから」と言うバルベルデも後に従った。ほんの数週間前に急遽出場を決めたせいで、当然下見などしていない、そんなバルベルデの過去の記憶によれば「普通ならば最終コーナーを真っ先に曲がった選手が、ステージを勝つはずだったんだけど」

しかし勝ったのは、2番目にカーブを曲がったバルベルデだった。極々僅差でロドリゲスを出し抜いて。

「勝利をこの手にほぼつかんだと思ったのに。自分自身に対して腹立たしい思いだ。パーフェクトに位置取りしていた。でもゴールラインの5m手前で、ペダルをこぐのを止めてしまった。だからバルベルデにも追い越されてしまった。ボクが弱いから負けたんじゃない。ボクがバカだから負けたんだ」(ホアキン・ロドリゲス)

失意にくれるロドリゲスの背後では、フルームが3番目に、そしてコンタドールが4番目にフィニッシュラインを通過した。フルームが当然のようにボーナスタイム4秒を獲得した。もちろん12秒のボーナスタイムを手に入れたバルベルデが、総合首位に躍進した。。2009年のマドリードで総合優勝を祝ったときはマイヨ・オロ=ゴールデン・ジャージだったから、バルベルデにとっては生まれて初めてのマイヨ・ロホだ!またロドリゲスは8秒のボーナスタイムと共に、総合3位・19秒差へ浮上。フルームは20秒差の総合4位、コンタドールは24秒差の総合5位につけた。

赤いジャージと共に、緑のポイント賞ジャージと、純白の複合賞ジャージさえもバルベルデが独占した。ただ山岳ジャージだけは、「エル・インバティド=無敵男」の手を逃れた。エスケープに乗って3つの峠を先頭通過したリヒハルトが、青玉ジャージをいそいそと着込んだ。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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