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ピエドラのはるか後ろのメイン集団は、コバドンガの登坂口が近づくにつれて、スピードを上げて行った。特に朝から姿を潜めていたサクソバンクが、突如として5人でプロトン前方に乱入してくると、猛烈な加速を切った。さらに上り序盤、サクソボーイズは不思議な行動を取る。まずはダニエル・ナバーロが飛び出した。しばらくすると、ヘスス・エルナンデスがアタックを打った。さらにはラファル・マイカさえも、チームエースのアルベルト・コンタドールを集団に置いて前方へと走り出して行ってしまった!
「今日は調子が良くなかった。チームメートたちにアタックかけるよう命じたのは、そのせいなんだ。戦いが激化しないように、先手を打ったつもりだった」(アルベルト・コンタドール)
この奇妙な戦術にはナイロ・クインターナ(モヴィスター チーム)が対応に当たる。またイゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)の数度のアタックを誘発した。総合10位アントンの飛び出しを許すまいと、6位ロバート・ヘーシンクと9位ローレンス・テンダムのラボバンク サイクリングチームがスピードを上げた。この加速のせいで、総合3位クリス・フルーム(スカイ プロサイクリング)が喘ぎ始めた。そのフルームと同タイム総合4位のアレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム)は、ライバルの苦しむ姿を見て、ゴール前6.3km、飛び出した。
もちろん、不調とは言いながらも、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ チーム)と共にコンタドールはきっちり反応を見せる。ただし大切な瞬間に、前に行ったはずのサクソ山岳アシスト3人は、すでにメイン集団へと引き戻されてしまったあと。マイカだけは慌てて追いかけようともがくも、もはや力は残っていないようだった。むしろクインターナが前方に残っており、以来、ゴール直前までバルベルデを助けることになる。ちょうど前日ダニエル・モレーノが、献身的にロドリゲスに尽くしたように。
そして、やはり不調とは言いながらも、コンタドールは自らアタックに転じずにはいられなかった。いつも通り、何度となく。「コンタドールは何度アタックしたんだろう?」とロドリゲスも苦笑いしたほど。ちなみにゴール前5.5kmで1回、4.5kmで2回、3.9kmで3回、2.8kmで4回、2.3kmで5回目。1.9kmでちょっと出かかり、すぐに止めたものも含めると全部で6回だ。
「彼のアタックに応えるのはすごく苦しかったけれど、幸いにも、今日のボクは調子が良かった。抵抗することができたんだ」(ホアキン・ロドリゲス)
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