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サイクル ロードレース コラム 2013年5月11日

ジロ・デ・イタリア2013 第7ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ハンセンの歓喜のゴールから1分07秒後。小さな集団内で、ディルーカは必死にスプリントを切った。結局は3位でステージを終え、区間勝利への今大会2度目の挑戦は、またしても失敗に終わった。それでもディルーカが仕掛けた大きなアタックが、総合勢を大きく刺激したことは間違いない。ゴール前21km、「キラー」の作り出した動きに、ニーバリやミケーレ・スカルポーニが乗った。ライダー・ヘシェダルは猛烈に追いかけた。ところが、そこにウィギンスの姿がなかったのだ!

一旦はなんとかライバルたちを捕らえ、スカイ軍団は混乱収拾に努めた。しかし激しさを増していく雨の中で、ゴール前10km、ニーバリが得意の下りアタックを仕掛ける。もはや、反乱の波を止めることなど、不可能になっていた。

「まさか転ぶとは思わなかったけどね」と、猛スピードでダウンヒル中に、ニーバリはカーブを曲がり損ねた。「でも雨も、濡れた路面も、ボクは得意だから」というシシリアっ子は、すぐに自転車に飛び乗ると、さらに勇敢に加速を続けた。2人のアシストに引かれて、必死に追いかけていたウィギンスも、ゴール前6kmのカーブで滑って転んだ(同じところでセッラも転んでいた!)。雨のベルギーで生まれ、雨のロンドンで育った2012年ツール覇者は、……ただ若かりし頃は室内トラックを主戦場としてきたエリートルーラーは、途端にペダルが漕げなくなってしまった。その間にもニーバリや、元MTBチャンピオンのヘシェダルやカデル・エヴァンスは前を突き進み、さらにはスカルポーニのためにランプレ・メリダは隊列で加速を仕掛け、どんどんウィギンスから離れて行った。

「ブラドレーは危険を冒したくなかっただけなんだよ。それに滑っただけで、体のどこも痛めていない。ただ、冷静さを取り戻すための、時間が必要だったんだね。今日はタイムを失った。でも状況を分析して、結論を出すのは、明日のタイムトライアルの後だ。グランツールというのは、いつだっていい日もあれば、悪い日もあるものさ。今日は間違いなく悪い日だし、失敗だったともいえる。しかし、破滅的状況という訳でもない」

スカイのゼネラルマネージャー、デイヴ・ブレイルスフォードは、こんな風に最悪の1日を総括した。総合のライバルたち、つまりニーバリ、ヘシェダル、スカルポーニ、エヴァンス、ロバート・ヘーシンク、サムエル・サンチェス等々はみんな仲良く、ハンセンから1分07秒遅れの集団=ウィギンスから1分24秒早い集団でゴールした。総合ではニーバリの2位を筆頭に、やはり仲良くタイム差1分以内でひしめき合っている。そしてマリア・ローザは、ルーカ・パオリーニから、ベナト・インサウスティの手に渡った。

「チームタイムトライアルで好成績を出して以来、チームはこのジャージを目標に走ってきた。ついに目標を達成することができて本当に嬉しい。ジャージを守りたいとは思うけど、でもタイムトライアルのスペシャリストたちが相手では、おそらく、簡単ではないだろうなぁ」

タイムトライアルの五輪金メダリスト、ウィギンスは1分32秒差の総合23位につけている。リーダーを助けるために、後ろに下がらざるを得なかったウランも、総合2位から一気に総合22位まで転がり落ちてしまった。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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