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サイクル ロードレース コラム 2013年5月27日

ジロ・デ・イタリア2013 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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というわけで、カヴェンディッシュは周回を間違えた。2回目の通過直前(ゴール前26km前後)にジャイロ・エルメッティが飛び出すと、自らが後を追って、ゴールラインを先頭突破。しかもそのまま逃げ始めたエルメティを、オメガファルマ列車を走らせて、わずか半周程度で飲み込んでしまった。このベテランイタリア人は、単にエスケープを狙っていただけなのに。ほんのあと18km逃げれば、大逃げ総合首位に手が届くはずだったのに……。他人の最後のチャンスを踏み潰しながら、カヴは3回目さえも頭をひねりながら一応先頭通過した。そして正真正銘の4回目では本気のスプリントを切って、1位8ptを懐に入れた。ニーバリを逆転し、これにて、待望の赤いジャージが自分のものとなった。

「本当に嬉しいよ。ボクが中間スプリントに行くことを、誰もが理解してくれた。幸いなことに、プロトン全体が紳士的だった。ボクがジャージのためのポイントを獲りに行くことを許してくれたんだ。でも、その後もモチベーションを保ち続けた。ただ、勝ちたかったから」(カヴェンディッシュ)

そんな訳で、貪欲なカヴェンディッシュは、気を緩めるどころではなかった。むしろ落ち着きを取り戻し、さらなる自信を持ってゴール勝負へと突進して行った。その一方では、カヴが両手を突き上げる後ろで2→2→16→5位と悔しさを味わってきたエリア・ヴィヴィアーニや、4→8→4→2位と歯軋りしてきたジャコモ・ニッツォロのチームメートたち、つまりキャノンデール プロサイクリングやレディオシャック・レオパードも、オメガファルマ列車に対抗心を燃やしてきた。3→4→2位と続けたナセル・ブアニはイタリアからとっくに立ち去っていたけれど、チームカー隊列にピッツァを大盤振る舞いしたバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックスのサチャ・モドロが、代わりにカヴの後輪に張り付いた。

しかしまあ、今のカヴに対抗しようというのは、そもそも無茶な挑戦だったようだ。わが世の春を謳歌する英国人のトップスピードには、誰もが恐れ、ひれ伏すしかなかった。必死に仕掛けたイタリア勢はモドロが2位、ヴィヴィアーニ3位、ニッツォロ4位に終わった。

「ボクはただ、いつだって勝ちたいと欲してる。勝利中毒なのさ。子供のころからずっと、どんな分野だって、自分のベストを尽くすだけじゃ満足できなかった。みんなの中でベストにならなきゃ嫌だったんだよ。それに、自分の周りにチームがついていて、自分のために働いてくれるんだから、100%を尽くさなきゃならない。ボクは勝つためにサラリーをもらっている。もしも誰かにやっつけられたら、家に帰って、もっとハードに練習して、もっと速くなって帰ってくるしかないんだ」(カヴェンディッシュ)

カヴェンディッシュにとっては、第1ステージに始まって、第6・12・13ステージに続く今大会5勝目。ジロには5度目の出場で、これにて通算15勝目を叩き出した。ツールの23勝とブエルタの3勝とをあわせると、グランツールでは通算41勝。つまりはベルナール・イノーの記録に並んだ!ちなみにグランツール最多区間勝利を誇るのは、「カニバル」エディ・メルクスの67勝だ。さらには2010年ブエルタのマイヨ・ヴェルデ→2011年ツールのマイヨ・ヴェール→2013年ジロのマリア・ロッソと、カヴェンディッシュは3大ツールのポイント賞も総なめ。先日引退を発表したばかりのアレッサンドロ・ペタッキに続く、史上5人目の快挙となる。

ついでに言うと、昨年に続いて敢闘賞とアッズーリ・イタリア賞も頂いた。また第20ステージでカヴにこっぴどく叱られたアンドリアートは、無事に中間スプリント賞と大逃げ賞を手に入れた。

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