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サイクル ロードレース コラム 2014年5月17日

ジロ・デ・イタリア2014 第7ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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先頭列車を走らせたのは、大会初日2日間と同じように、ジャイアント・シマノだった。たとえ区間2勝のマルセル・キッテルがいなくとも……、完璧なトレインメンバーは揃っている。最終車両には、いつものリーダーの代わりに、ルカ・メズゲッツを乗せた。ラスト250mの緩やかなカーブを抜けるまで、プロトン随一の高速列車に引かれ、スロベニア人は好位置を守り続けた。しかし「代替リーダー」は、ラスト200mからの本気の殴り合いには、まだ慣れていなかったのかもしれない。

むしろ、シャヴァネルの後輪を見失い、そのメズゲッツの背中にぴたり張りついていたブアニが、するりと脇を抜けだした。フェンスの間の、ほんの小さな隙間だったけれど!

「メズゲッツが加速を始めた後、フェンスに沿って右側からスプリントを打った。マシューズとニッツォーロが左側から飛び出したから、左へ行く道は塞がれてしまった。つまり右しか選択肢がなかったんだよ。メズゲッツが寄せてこなくて幸いだったね。じゃなきゃ、間違いなく落車してただろうから」(ブアニ)

エアロヘルメットにエアロスーツを着込んだフレンチスプリンターは、荒々しく2勝目を手に入れた。2013年ブエルタ・ア・エスパーニャでも、フランスの若手ヒルクライマー代表ワレン・バルギルが、区間2勝を上げている。これが3勝になると、1999年ジロのローラン・ジャラベールまで遡らねばならない……。またグランツールのポイント賞をフランス人として持ち帰ったのも、1999年ジロのジャラベールが最後だ。果たして23歳のブアニは、「フランス最後の大チャンピオン」ジャラベールに並ぶ快挙を、達成できるのだろうか!?とりあえず、中間では無理に取りにいかなかったポイントも、フィニッシュラインで大量50pt加算した。燃えるような赤いジャージも取り戻した。

「明日からの山岳2連戦は、歯を食いしばって耐えるさ。出来れば、中間ポイントも取りに行く。……大会完走を考えているかって?この赤いジャージを放り出して、家に帰ることなんかできっこないよ!」(ブアニ)

前夜に山頂フィニッシュを勝ち取ったマシューズは、「なんだかんだ言っても、やっぱりボクはスプリンターだから」と、疲れも忘れて集団スプリントに加わった。結果は4位。もちろん表彰式で、綺麗なジャージを改めて身にまとった。本人によれば、おそらく、これが最後のマリア・ローザになるだろう。

「ずっと前から、ボクらは分かってた。明日はきっと、マリア・ローザで走る最後の日になるって。明日、このジャージを失ったら、ものすごく悲しいだろうな。もちろんジャージを守るために、全力を尽くす。でも、現実的に考えて、ボクにできることはそれほど残ってはいない。ボクらチームにとって、素敵な1週間だったよ」(マシューズ)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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