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「今後は、この状況を、もう少し上手くコントロールすべきだね。ゴールにより集中して、中間ポイントではそれほど力を使ってしまわないほうがいい。簡単に点が取れそうなときは、点を取りに行けばいい。ジロはまだ長いんだし、ポイント賞ジャージは最初のステージだけでは決まらないんだから」(ニッツォーロ、チーム公式HPより)
スプリンターが苦しんだのは、むしろ上りで、ティンコフ・サクソが強烈なテンポを刻んだからなのかもしれない。近ごろ、グランツール序盤の平坦ステージ終盤は、総合系チームに支配されるようになった。理由は「落車を避けるため」。この日も、総合大本命のアルベルト・コンタドールを無事にゴールまで運ぶため、ティンコフボーイズは隊列を組んだ。「最善策は、前にいること」とばかりに、チームタイムトライアルで2位に入った前日に続いて、猛烈なハイスピードを保った。
「今日のチームは本当によく働いてくれた。ステージ最終盤に集団後方で起こった出来事を見ると、僕らのやったことは、本当に意味のあることだった」(コンタドール、TVインタビューより)
ゴール前25km、大きな集団落車が起こった。IAMの選手が大量に巻き込まれた。さらに5kmほど先で、ダイエルウベルネイ・キンタナが落車し、ハインリッヒ・ハウッスラーは2度目の被害にあった。総合優勝を狙うリゴベルト・ウランのアシスト役、ピーター・シェリーは、右肩の腱を痛めながらも自転車をこぎ続けたが、あまりの痛みについに大会を去った。
そして、ジェノバの市街地周回コースに入り、逃げの5人を吸収する直前だった。道幅が不定期に変わり、ところどころ蛇行し、直角やヘアピンカーブさえちりばめられた危険なサーキットで、ゴール前12km、集団落車が再びプロトンを襲った。総合争いを目論むドメニコ・ポッツォヴィーボとライダー・ヘシェダルの2人も、足止めを食らった。
ヘシェダルは後に集団復帰を果たすが、地面に一旦足をついた上に、チェーンが外れて少々パニックに陥ったポッツォヴィーボは、最後まで集団に追いつくことが出来なかった。なにしろティンコフ・サクソが猛スピードで引っ張り、さらにファビオ・アルを擁するアスタナも平行に列車を走らせ、プロトンのスピードは上がる一方だった。AG2Rのアシスト勢の健闘もむなしく、小型クライマーは、この日だけで1分9秒ものタイムを失った。
ゴール前3km――ここからフィニッシュまでは、たとえ落車やメカトラで遅れても、遅れた時点で所属していた集団と同じゴールタイムが与えられる――で、コンタドールとアルのチームメートたちは、無事に任務を終えた。ようやくスプリンターチームに、主導権を引き渡した。
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