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ここですかさず先頭に上がったのは、スカイだった。リッチー・ポートのためではなく、ヴィヴィアーニのために。トレックが猛烈な勢いで前を取り返した。マリア・ローザをチームに留めおきたいオリカ・グリーンエッジも急激に駆け上がり、そしてランプレが上がってくると、あっという間にスプリントを切るべき時間がやってきた。まるで体制が整わないままサーシャ・モドロが発車され、ニッツォーロが加速し、アンドレ・グライペルが飛び出し、モレノ・ホフラントが競り上がり……。
めまぐるしく先頭の顔ぶれが変わり、右や左にラインが揺らぐ中で、ヴィヴィアーニは、張り付くべき選手を絶妙にチョイスした。ニッツォーロの背中から、ホフラントの後輪に飛び乗り、そして最後は自ら飛び出した。
「ここ数年は、あと少しというところまで近づいていたのに、いつも、わずかに届かなかった。この勝利は、プロキャリアで最大の成果だよ。随分と時間がかかったけれど、でも、ずっと自分を信じ続けてきた。決して諦めなった」(ヴィヴィアーニ、公式記者会見より)
プロ入り6年目でつかんだ、初めてのグランツール区間勝利だった。これまでグランツールでは4度の2位に泣いてきた。しかし、あらゆる失敗や経験が、今の自分を作ったのだとヴィヴィアーニは語る。
「去年のツールで、ペーター・サガンのために働いたことも、ものすごく良い経験になった。それから、今年の年頭に、ドバイでマーク・カヴェンディッシュを破ったことが、ある意味、啓示だった。トラックの世界選手権でメダル(マジソン銀、オムニウム銅)を取ったことも、自信になった。それに、スカイが、僕に合わせたトレーニングメニューを作ってくれた。スプリントに特化した練習だけれど、上りのことも決しておろそかにしない、そんなプログラムだ」(ヴィヴィアーニ、公式記者会見より)
今年スカイに合流したばかりのヴィヴィアーニは、赤いポイント賞ジャージも身にまとった。チーム一丸となって奮闘したニッツォーロは区間6位に終わり、ひとまずポイント賞は8位につけた。
そしてサイモン・ゲランスのマリア・ローザは、予定通りに、チームメートのマイケル・マシューズが引き継いだ。1年前は6日間ピンク色のジャージを守った。今年は果たして何日間、トップの位置をキープするつもりだろうか。
「できる限り守りたいとは思うよ。でも、僕の次の目標は、区間勝利を上げること。第3ステージは僕向けだと思うから、マリア・ローザ姿で区間を勝ちに行くよ」(マシューズ、公式記者会見より)
日本の石橋学は、生まれて初めてのグランツールの、初めてのラインステージを、最下位20分11秒遅れでゴールしている。少々手痛い洗礼だった。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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